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大澤社長 林 社長 齋藤
株式会社 大沢電装 代表取締役 大澤 正拓 氏
株式会社 サニー工業 代表取締役 林 哲郎 氏
税理士法人 第一経理 本店所長 齋藤 正広
辰年、事業を承継しエネルギッシュに活躍されている若手経営者のお二人に、我が社の決意、目標と展望について、大いに語って頂きました。
聞き手 : 編集長 武江 勇
大澤 : 大沢電装の大澤です、宜しくお願いします。
当社の設立は、1972年、創業は、1965年になります。住所は、練馬区桜台です。
業務内容は、株式会社IHI子会社の運搬機械株式会社の委託会社として38年、立体駐車場のメンテナンス、故障対応をしています。
委託エリアは、北が板橋区、南が新宿区、調布から清瀬となります。
その中で夜間待機は、セブンイレブンが24時間営業をする以前から毎日、必ず2人体制で故障対応しています。
他に機械式立体駐車場の保全工事を関東一円でやっています。
事業を引き継いだのは、14年前、24歳の時です。
社員20名、平均年齢34歳の若い会社です。
林 : サニー工業の林と申します、宜しくお願いします。
川崎市川崎区の工業団地にあります。ここは、JFE(日本鋼管)の溶鉱炉があった所で川崎市が買い取り、工業団地を作ったと聞いています。
設立は、1963年です。
上下水道用の硬質塩化ビニールの接続部品の製造、加工及び販売をやっています。
プラスティック樹脂を使った配管システム組み立て、部品の製造加工、システムの開発をやっています。
最近では、人工透析のラインにおける特殊なプラスティックが採用され、ユニットの制作、現場での施工も一部やらせて頂いています。
当社オリジナル商品、プラスティック性の透明サニタリー配管があります。食品、医薬のプロセスラインを対象とした、透明で中が見える、汚れとかバクテリアの付着、異物など、配管内が目視できます。この商品を柱に育てるべく、営業努力しているところです。
社員は20名、平均年齢は36歳の若い会社です。
大澤 : 委託業者、下請けとして長くやって来まして、ようやく社員も安定、定着した中、一番使いやすい下請けを目指すということです。
先代は、一部一人親方を使っていることもあり、その部分は保険に加入していませんでした。
私は、全員社員にしようと考えて、保険加入も進めました。
年齢だけでなく自分の気持ちに近い社員が増え、次代を担う幹部も育って来ました。
林 : 父親が言い続けてきたことで、「常にお客様の期待の上を行け」という言葉が一時会社のいたるところに貼られていました。それは今でも大切なことであり、ことあるごとに社員に浸透させるためにも話し続けています。
この言葉は、仕事上、常に、心がけていて、お客様からお褒めの言葉を頂いて、社員のやる気や自信に繋がっています。
私は「自分のために仕事をしなさい」と言っています。会社のためでなく、自分のために仕事を頑張りなさいと。すべて頑張ったことは、自分に返ってくる会社です。窃取しない会社だと信じて働いてほしいと話しています。
大澤 : 社員に対しては、まず、自分がやって見せるとか特に難しい仕事は、失敗してもいいので教えてやらせて行く、新入社員に対しても、失敗を恐れるな、責任は自分が取ると言っています。
失敗しても、今後どうしたら失敗しないか、みんなで考えています。環境を変えていく又は作って行くことが大事だと考えています。
林 : 私は現場の補助の経験がありますが、今、製造部員がやっていることは、全て彼らの方が上ですし、口出しはしません。すべて自分たちで考えて、作業しています。製造業は、モノ作りなので、こういうものが出来ないか、どうやったら安くできるのか早くできるのか、自分たちで考えてもらい、社員に頼るという姿勢でやっています。
ただ何かあった時には、責任をとる、クレーム対応係に徹する役割として、社員と接しています。
齋藤 : 若い社員が経営理念を理解することは、難しい面があります。
第一経理では、中期経営計画策定の中、全社員で現在の経営理念等について議論をしました。
結果的には、現行の内容を変えないというのが大勢でした。素晴らしい内容であることをあらためて実感しました。
事業・仕事とは、「社会的価値創造活動」、価値を創るのが事業であり、世の中に必要とされないものは価値がない、お客様に喜ばれ、世の中のためになる仕事をして行くことが経営理念の実践に繋がると考えています。
決算書や申告書の作成だけが私たちのサービスではないよと口をすっぱくして伝えています。自分たちが仕事をしていく上での軸、それが経営理念だと思います。
齋藤 : 全般的に厳しいです。国税局が毎年集計している黒字赤字申告の割合のデータがあります。今回史上最低の数値となり、黒字25.8%、赤字74.2%、日本の中小企業は、ほとんどが赤字、3年連続で過去最低を記録しています。
決算書上は黒字でも役員報酬を下げたり、固定費をギリギリまで切り詰めて何とか黒字にしている企業が非常に多くなっており、実態としては、もっと赤字の会社が多いはずです。
製造・建設・不動産・印刷業は、特に厳しいです。例えば、不動産業、駅前の一等地を値段をさげて広告を出しても電話一本かかってこない、社長は「30年やっているが、こんなに売れないのは経験がない、自信がなくなった」とおっしゃっていました。
また後継者がいない中小企業の廃業が非常に多い一方、起業が少ない。法人は減っている状況です。景気が良くなった感じがしません。
円高、金融不安、大企業の海外展開は、国内の設備投資の減少につながり、雇用が減ってきています。
景気の実態は、想像以上に暗い、そこに政治の混乱が拍車をかけています。本日お越しいただいているお二人の社長のお話を聞いているとホッといたします。
大澤 : 24歳で引き継ぎました。 先代が60歳の時です。 3人兄弟の3番目で、何も分からない状態で承継した気がします。
斉藤 : そうですね。あの時は私もびっくりしました。
大澤 : まず取引先の信用を得なければと考えました。会社は、自分がしたいと考えていたことと、かなり、違っていたので、それを変えていくのが大変でした。
変えていく中で辞めていく社員も出て、信用が落ちたりしました。
新しく入れた社員は、すぐには仕事ができません。年上の社員ばかりの中、信頼関係を築くのも大変で自分の気持ちの切り替えも難しかったです。若かったので自分の考えを、うまく伝えられなかった。
伝え方、怒り方、人との接し方など、何とかやって来れたのは、第一経理の支援があったからです。また、経理の社員が大変に助けてくれ、彼女の存在が大きかったと思います。
林 : 苦労した点は、思いつかないですね。
齋藤 : 大変な苦労だったと思いますが。
林 : 引き継いだ時期が、会社の最悪の状況と重なっていました。10年ほど前になります。
思い出されるのは、父親との確執ですね。大げさかもしれませんが、最終的にはお互いに理解し合いました。そこに行きつくまでは、大変でした、親子の意見の対立もありました。
何故、苦労を感じなかったか。一つには、父親、先代を悪者にできたことがあります。
以前、「三つの封筒」というお話を聞いたことがあります。自分が事業を承継して危機にぶつかった時に、封筒を開けて、悪いことがあった場合、前任のせいにしろというのがありました。
中国に進出して工場を建てたが大変な状況で、会社のメインの仕事とあわせて撤退を検討しました。
父親は当然反対するわけですが、結果は中国からも不採算部門からも撤退しました。
齋藤 : 経営危機の時の経営計画発表会で、社員さんが「赤字の原因は中国にあるのでは」などと発言した時の社員の皆さんの不信感ただよう雰囲気が今でも脳裏に焼きついています。
前社長の仕事を覆した、その結果、社員も辞めずについてきたわけです。
経営者は、自分のやってきたことを否定し、踏ん切りをつけるのが難しいと感じました。
林 : 先代との対立があり、一時悩んだ時もありますが、開き直りました。
総務部長の存在も大きかったです。ハローワークに財務の分かる求人を出して、ポストが1人なのに50人の応募があり面接した後、もう一人面接の連絡があり、面接をした51人目の方が今の総務部長です。
自主再建を選択し10年計画で、リスケなど銀行対応を進めることが出来ました。
齋藤 : 先代との橋渡しの役割だと思います。
先代や幹部の意見を聞き、若い社長にアドバイスして来ました。
先代が直接言えないこと、他の幹部の意見などを社長にお伝えし、一緒に考える役割ですね。
そのためにお客さまの会社に入り込んで、状況を客観的に把握することも重要なことだと思います。
大澤 : 自分の人生をどうしようと、考え方が変わり、この地震で辞めた社員もいます。
同業者の少ない業種ですから、少し余裕があるときに社員教育をし、現場でお客様と挨拶ができるなどあたりまえのことができる会社にしていきたいと思っています。基本は、「仕事は仕事で帰ってくる」です。
林 : すき間産業というところで仕事をしています。海外でできるものでもないし、大手の製造業が不得手としている、モノ作りが中心です。高額な機械はほとんど無くて、人間の手に頼ることがほとんどです。ライフライン、生活に無くてはならない部分、上下水道とか情報通信、電気です。長くやってこれているのは、技術とか納期、製品精度など、お客様のニーズに応えてきたことが評価され、必要とされている状況ですから、絶対に信頼を失わないことです。
震災後、今迄、仮設住宅など仮というのが多かったです。今年は、本格復興、かなり忙しくなると考えています。
備えたわけではありませんが、去年一昨年と20代前半の社員を採用して、現場と営業ですが、成長してきています。
大澤 : 仕事の柱が一つなので、もう一つ何かあった方がいいと考えています。
最近、機械加工の旋盤とボール盤を購入しました。社員が新しいことが出来る、モノ作りが出来る環境を作りました。自分の使う工具を自分で作るとか、チャレンジしていく中で、1年・2年たつと、もっと大きな機械を購入し、もっと大きなものが作れるというイメージを湧かせてくれれば、展望になると思います。
人を出す仕事なので、収入に限界があることが社員も含め分かってきました。
部品を作って売るとか新しい柱を作りたいです。
内容の濃い、ここでしかできないプロ集団にしたいと思っています。
林 : 今年は、会社のオリジナル商品である透明サニタリー配管を伸ばすことはもとより、海外展開をしたいと思っています。過去数年間考えて来ましたが、具体的な動きが出てきました。
ヨーロッパにある乳業の老舗会社と、当社の透明配管の採用について、最終段階まで来ています。これは化けてくれないかと考えています。
そして少数精鋭でやって行きたい。会社を大きくすることを考えるよりも、ずっと長く続く会社をと考えています。プロ集団の塊という感じです。
齋藤 : お二人とも、社員を信頼し大切にしていると感じられます。
共通しているのは、社員の力を引き出すことが自分たちの仕事と認識されていることです。
社員と一緒に考えるということが、上手くいっている特徴的なことと感じました。
第一経理が目指しているのは、究極のよろずや事務所です。
いろいろな専門家を揃えますから経営的には大変ですが、第一経理にご相談いただければワンストップで解決できる。お客様にとって身近で、かけがえのない存在でありたいと思っております。
また社員を大切にし、共に成長していくことが、お客様の満足にも繋がる、第一経理の生きる道と考えています。
今年は辰年、昇り龍のように、天高く上昇して行くことを期待します。 (文責 武江勇)