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第一経理ニュース

我が社の原点

コミュニケーション・コンサルティング事業を推進しています

 

  

  

   

 

株式会社 アルファ・デザイン
代表取締役 久保山 隆之 氏

 渋谷区千駄ヶ谷にある株式会社アルファ・デザイン。近くに国立競技場、将棋会館などがあります。1965年11月に設立して以来、デザインを通して社会貢献を目指し、47年の歴史があります。久保山社長から、新しい時代に合わせた業態変革や人を大切にする経営などについて、お話を伺いました。


聞き手 : 編集長 武江 勇


―3月11日の震災後5ヵ月が経過しましたが、経営への損害、仕事の影響など、お聞かせ下さい。

 

 3・11の震災は、3月が期末なものですから、最後の追い込みをやっている時期でした。
 受注していた仕事が中止になったり延期になったりして実質的な損害を受けました。
 特に広告宣伝の仕事をしていますので、後は印刷するまでとなっている直前になって、クライアントの方から自粛したいので印刷を中止してくれということがあり、相当な損害を受けました。
 4月以降の新しい期に向けて仕込んでいたものもありましたが、同じく中止または延期となり、第一四半期が過ぎましたが、厳しい状況が続いています。
 メインクライアントの中には金融保険市場の仕事がありますが、被災地への審査活動に全力を出すということで、宣伝をやっている場合ではないということ、人手が少なく対応できないこともあり、その影響がまだ続いています。

 

―震災による影響が大きいですが、逆境をバネにした取り組みもあるようですね。

 

 半年では、回復できると思いませんでしたので、営業拡大にハッパをかけて来ました。
 震災の審査活動では以前にも台風被害の同行取材をやっている実績があるので「その記録を取りましょう」と売り込んで動画と静止画の両方のカメラマンを携えて、3泊4日ぐらいの取材を、3回ぐらい行いました。DVDにまとめたり、パネルやパンフレットにまとめて、審査活動がこのように行われているという記録を作ったりしました。今回の震災がなければできないことです。
 そこで取った素材、コンテンツといいますが、これがありますから、いろいろな形で、今後、活用できると考えています。

 

―会社の創業時のこと、苦労した点など、お聞かせ下さい。

 

 会社組織としての設立は、1965年、東京オリンピックの翌年の11月になります。今年で47年となります。オーナー企業ではありませんので、歴代、社長を引き継いできましたが、私は6代目になります。もともと会社組織になる前も何人かのグループ、フリーのデザイナーの集まりが、印刷会社の一角に机を置かせてもらい、仕事をいただいていたのが始まりです。
 デザイン会社は、広告代理店又は大きな印刷会社から仕事をいただくなど、下請け的な面が多く、我が社も初めは、印刷会社から仕事をいただいていました。
 だんだん仕事が増えてきた時に次のステップとして、それまで行っていた「社会の進歩に役立つデザイン」を進めて行くには、会社組織として仕事をやりとげられる体制を保証しなければならない。
 仕事が増えてくると若いアシスタントを雇うようになりますが、当時の給与体系は、出来高払いでしたから若いアシスタントが小遣い程度になり、「これでは人が育たない。会社にしよう」ということになりました。出来高から給与制になるわけですから手取りが下がることになりそれが不満でやめる人もいました。
 会社を作ろうと意気に感じた、先輩達の歴史があり、私はそこが「我が社の原点」になると思います。

 

● デザイナーが営業マンに変身

 

 第2次オイルショック後、仕事が急になくなりました。
 いままでの受注型の仕事スタイルからの転換を迫られました。30人いたデザイナーの中で、年齢の高い先輩のデザイナー達が筆をおいて、営業に回って、自分たちで直にお客様を探しに営業活動を始めました。
 その時以来、デザイナーで入って、営業に代わる流れが今も続いています。
 我が社のいいところは、印刷会社の営業の方と一緒にお客様を訪問した時に、お客様は、印刷に関しては、さほど話すことはないわけです。当時は印刷の質については、まだ設備とか技術に差がありましたが、現在のように機械が均質化していて、品質的にそんなに遜色がない場合は、今は、価格が安いかどうかが勝負になります。
 どんなものを作りたいとか、どんな表現にしたらいいかとかの話は、印刷会社の営業マンを飛び超えて、デザイナー出身である、我が社の営業の方に話した方が、早いし、通じるわけです。
 次は、あなたが来てくれとなるわけです。印刷は、どこでやっても同じで、デザインが大事なことが分かって来ました。

 

● 営業先を選ぶ会社の姿勢

仕事風景

 

 次第にお客様からは企画・取材・編集・制作・印刷・納品まで全部まとめてやってくれないかとなって来ました。
 デザインを切り口として、ワンストップサービスを80年代のはじめからやり始めていたわけです。
 その時に先輩たちがお客様を探すのに、どういうお客様を探すのかというときに、我が社の姿勢として、ただ儲ければいいとか、反動的な仕事や暴力的、風俗的な仕事はお断りして、国民生活をより良くするという視点から購売生協や共済生協に対して営業を進めました。

 

 

―会社の業務内容について お聞かせ下さい。

 

 紙媒体の商業デザインからスタートし、今は、ウエブを媒体とした物へも広がっています。
 チラシ、ポスターなどの印刷物のデザイン、印刷、DMの作成、発送までやっています。
 イベントは、信用金庫の親子映画会の企画、会場の設営、進行などの業務があります。
 ホームページの作成、映像、販売促進のためのノベルティ作成、DVD、デジタルコンテンツ制作などがあります。
 取引先としては、共済生協、購売生協、信用金庫、出版社、劇団など文化団体、自治体など、があります。
 特に非営利の生協などの連合体の仕事が多いのが特徴です。

 

―同業他社との違い、強みなど お聞かせ下さい。

 

 クリエイティブなデザインができる、そこがお客様から喜ばれている所です。
 営業時、その場でお客様のデザインなどの要望をイメージできる者がいることです。
 我が社のデザインマーク、ロゴに、特徴があります。
 人と人との間の「ほっとコミュニケーション」を大切に考え、デザインポリシーの方向として、ヒューマンな表現を基本にしています。

 


● 会社の目指すものは、CC事業

 

 我が社は、デザイン制作会社ではなくて、コミュニケーション企業と考えています。
 中長期計画のなかで、これから目指す企業は、コミュニケーション・コンサルタント事業、略してCC事業といっています。デザインという言葉は入ってきません。
 枕詞として、ハウス・エージェンシー的なソリーション型のCC事業といっています。
 お客様にとっての、お抱えデザイン会社の気持ちで取り組む意味合いがあります。
 その為には、お客様の経営理念や事業方針、どういう商品をこれから作ろうとしているのか、営業は、知らなければいけません。
 例えばチラシを発注されるお客様にとって、チラシが最終目的ではなく、それは手段であり目的はそのチラシを使って商品を販売したいとか、人を集客したいとかです。その際、チラシがいいのかどういう媒体がいいのか、お客様の要望に柔軟な対応をすることがCC事業なのです。
 お客様は何を問題にしているのか、問題解決の手助けをする、ソリューション型の仕事を目指しましょうということです。
 最善の媒体を紹介したり、提案する姿勢で臨むことが、仕事を増やす、生き延びるための考え方です。

 

―経営理念(社是)について、お聞かせ下さい。

 

 毎年の経営計画のなかで、提示し、再確認しています。
 日々の活動の中で、経営理念を実践できるように考えています。

 

《経営理念》

 

・私たちは、平和でよりよい社会とくらしの向上のためにコミュニケーション活動を通じて貢献します。

・アルファ・デザインの社業はコミュニケーションにかかわる創造活動です。

・アルファ・デザインは社会の進歩と発展に社業をもって貢献します。

・アルファ・デザインとその社員はすべての行動にヒューマニズムを貫きます。

 

 競争相手に勝って、うちが選ばれる理由として、お客様と同じ理念を共有できるからだと思っています。
 デザインも内面的なものがいろいろ出て、退廃的なもの、人に恐怖を与えて導こうとするものもあります、その中で我々は、ヒューマニズムを貫くよう心掛けています。
 憂鬱な問題を表現しなければならない時に、我々は、逆に元気の出るものを表現します。
 ただ生活のためでなく、社会的に貢献する仕事として、喜びを感じながら仕事をすることに、会社の存在意義があると思うのです。

 

―人を大切にする経営の推進について、お聞かせ下さい。

 

 我が社は、「人が宝」。企業は、ヒト、モノ、カネ、情報と言われますが、我が社は、中でも「人」が財産と考えています。
 クリエイティブな世界ですから、同じ仕事でも、1つ1つの仕事が全部違います。
 逆に集団で1つの仕事を分担することはできますが、代わりをすることがなかなかできません。
 一人ひとりが仕事をやり遂げるにあたって、いかにモチベーションを高め、能力を高めるかが重要になります。
 昨年も4回、社外の講師を呼んで、デザインのことや、営業、最新トレンドなどの研修会を実施しました。
 健康管理については、1年1回の人間ドックはもちろんですが、昼休みは、1時間15分、3時も15分の休憩があります。
 家族的な雰囲気を大切にして、楽しく仕事ができる環境の整備を図っています。

 

―ワークライフバランスや子育てなど両立支援の取り組みを推進されています。

 

メーデーにて

 ワークライフバランスは、労働時間等改善委員会を設け、国の支援を受けながら、進めてきました。
 営業よりも制作の労働時間が長い、有給休暇の取得率にもバラつきがある、管理職ほど労働時間が長いなど改善すべき課題が見えてきました。
 仕事のやり方の見直し、振り分け、分担、仕事の平準化を目指しています。
 妊娠、出産、育児にあたり、安心して休めて、時間保障、生活の保障もあり、もとの職場に戻れるように、法律改正に合わせて、就業規則の整備も進めています。
 2008年、東京都の次世代育成サポート企業に登録、仕事と家庭の両立にやさしい会社として、社内及び社外にアピールしています。

 

―レクリエーションについて

 

 仕事納めの時に、1年間を振り返るという意味で全社員参加の懇談会を毎年開催しています。
 具体的には、1年間の行事的なことをビデオに取って、全員で鑑賞する企画などです。
 仕事以外の日常的なビックリするような出来事などを、出し合って、面白い内容のものを表彰し合います。
 5月のメーデーは、会社と労働組合等の共催で取り組みます。
 メーデー前に、茶話会を開き、どういう出し物やスローガンにするか、また、ノボリやデコレーションはどうするかなどを話し合って作成しています。
 組合が中心ですが会社も協力してやっています。

 

―会社今後について、お聞かせ下さい

 

 印刷業界の出荷額は、バブル期の9兆円を頂点に減り続け、いまや6兆円を下回るいきおいです。
 その最大の理由はデジタル化で、コミュニケーション手段が紙以外にもインターネットの普及などが出現したからです。
 我が社も、印刷だけではなく、クロスメディアに対応し、ウエブにはホームページだけではなく、SNSなどを活用したコミュニケーション手段が増えていますし、その方向に進む必要があると考えています。
 お客様にとってのハウス・エージェンシー的な気持ちで、理念や考えをよくリサーチして、問題解決するための手段として、紙だけではなく、あらゆるコミュニケーションツールを利用して、シナリオを作って、仕事のお手伝いをすることで次の時代を切り拓いて行きたいです。
 50周年に向けて、3ヵ年計画を作成、議論して行きたいと考えています。
 非営利の生協など連合体の中枢の部署が各県の単協におろすツールを作っていますから、いわゆるハブ型クライアントに対応した商品開発をして行けば、事業の広がりができると考えています。

全社経験交流会

―本日は、有難う御座いました。

 

昨年から一・一会の世話人に就任され、斬新な提案をされています。今後、ますますの発展を期待します。

 (文責  武江 勇 )