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第一経理ニュース

新春対談

 

「 平和でよりよい社会を目指して 」
            〜2013年(巳年)経営理念と原発・憲法を語る〜

 

 新自由主義、リーマンショック後の経済低迷と国民に閉塞感が蔓延しました。2011年の未曾有の大震災と原発は、日本経済と国民生活にとって厳しい状況が続いています。
 被災地の復興支援・ボランティア、絆、連帯、また、原発ゼロの国民的運動の盛り上がりなど、「社会は変えられる、未来へ希望はある」との意識が高まっています。
 今年、創業49年となります株式会社アルファ・デザインの代表取締役で一・一会会長でもあります久保山隆之氏と今年、創業60周年となります当社代表千葉秀蔵に、経営理念、原発、憲法、また、2013年の目標と展望について、大いに語って頂きました。

 

久保山氏(左) 千葉代表(右)

 

 

 

 株式会社アルファ・デザイン   代表取締役/一・一会会長  久保山 隆之 氏

第一経理グループ    代表         千葉 秀蔵  

 

 

千葉 : 明けましておめでとうございます。本日はお忙し中、新春対談に出席いただき有難う御座います。「平和でよりよい社会を目指して」という経営理念をもって日々の業務にどう生かして実践しているのか、モチベーションを高めているのか等について、お聞きしたいと思います。

 

久保山 : 明けましておめでとうございます。当社は、1965年に創業しまして今年で49年になる広告・デザイン会社です。
 設立からの一本の精神として、平和でよりよい社会のために、コミュニケーション活動を通じて貢献しようということがあります。
 会社設立前に先輩達、数人が集まって仕事をしていました。その時は、出来高給だったのですが、新しい人が入ってきて、アシスタントの人は非常に安い給与なわけです。これでは仕事を保障しきれないということで、会社組織にしました。給料制になりましたから収入は減る人も出るわけです。そうした葛藤を経て会社をつくったのです。
 現在も平和でよりよい社会を目指す事業体が多いです。
 お客様からも当社の経営理念が理解されて、指名していただいていると思います。

 

 50周年に向けての力点

 

久保山 : 経営理念が一番大事だと思います。今は、「貧すれば鈍する」という傾向になりがちです。そこをしっかりと押さえて、我々が果たす役割を考えています。経営理念が出来た以降に入った社員が多いですから、啓発する取り組みを50周年に向けてやって行きたいと思っています。

 

 お客様の要望に柔軟に対応するなか、喜ばれている点

 

久保山 : 私たちの仕事は、形のないものを形にすることです。表現する前段のコンセプトをどう構築するか、私たちの仕事と思っています。
 お客様からは漠然とした要望等が来ます。どう形にするか、個々人の力と集団として力を発揮して行きます。そのためにはお客様のことをよく理解し、望む以上の提案をして行かなければなりません。十分にヒヤリングするように心がけています。
 制作の社員には、アイデアの引き出しを多く持ち、エンドユーザーの感覚を大事にするよう話しています。

 

千葉 : 人と人の関わりですから、コミュニケーション能力を高めるということですね。

 

 付加価値を高め、社員の能力を高める社員教育について

 

久保山 : 社内での勉強会としては、印刷だけでなく、新しいコミュニケーション手段、ウエブ介在の仕事が増えていますので、技術的なことなど毎月1回やっています。
 外部の研修会は、金融・保険市場の仕事が多いので、FPの知識、市場クライアントの仕事を理解するようなものを受講させています。
 でも、一番大事なのは、OJTです。グループでブレーンストーミングして課題からコンセプトを見出しています。
 経営理念に、「ヒューマニズムを貫きます」とあるようにヒューマンなデザインを大切にしています。

 

 印刷業界の景況

 

久保山 : もともと印刷媒体を中心とした仕事で、印刷業界と同じ状況にあります。
 印刷業界は90年のバブル絶頂期まで右肩上がりで推移、出稿高9兆円ありました。バブル崩壊後、インターネットの普及、少子化の影響等で、2000年には8兆円、その5年後には7兆円、今では6兆円台、10年後の2020年には4兆円台になると予想されています。
 印刷業界のこの傾向は、デパートの売り上げと似ています。デパートの売り上げは、消費者動向を如実に表していますから、日本経済の縮図が印刷業界に出ています。
 こうした状況に、印刷業界は、新しいコミュニケ―ション手段ウエブ等、業態変革で乗り越えようとしています。

 

 CC事業を目指します

 

久保山 : 同じように当社も、デザイン会社という枠を越えて、コミュニケーションコンサルタント事業を目指しています。
 お客様がチラシの制作を発注しても、そのお客様にとっては、チラシが最終目的でなく、チラシは最終目的のための手段ですから、ウエブではどうか、イベントではどうか、併せてクロスメディアでやった方がいいのでは等、提案してお客様のコミュニケーション活動のコンサルタント的役割を果たすのです。
 お客様の経営理念や商品、方針を理解して、お客様お抱えのハウス・エージェンシーとなって、問題解決型の会社を目指しています。

 

 原発問題について

 

千葉 : 昨年の3・11以降いまだに福島第一原発は、収束のめどが立っていません。
 16万人の方々が避難生活を送られ、苦難の状況が続いています。
 今年の3月から官邸デモが毎週金曜日に行われ、これが全国に広がりをみせています。最近のデモの参加者を見ると若い人が多くなっています。発言を聞きますと「無関心でいるのが一番良くない」、「東日本大震災があり政治に向き合わないことはできない」、「政治に目を向けさせるためにもデモに参加する」等、若い人達が原発問題から、人との関わり、社会との関わり、政治との関わりを考えて来ています。
 久保山社長も一・一会世話人として、被災地の支援として南三陸に行かれ、東海村へも足を運ばれました。1年10ヵ月になりますが、今感じていることをお願いしたいと思います。

 

久保山 : 未曾有の大震災と原発事故のため、日本はどうなるのかという状況で、経営にも影響があった心配の1年でした。当時は閉塞感ということが言われましたが、最近はそれほど聞かれない。なぜかというと官邸前のデモ行動に見られように「普通の人」が積極的に参加する状況となって国民の意志を直接訴えるという行動が起こり、希望や一定の光明があるからです。
 震災前の貧困・格差の問題、派遣村に象徴されますが、自己責任が大きく強調されて突き放された気運がありましたが、震災や原発は自己責任ではない。多くの人が助け合い、国が補償しなければならないということが理解されて来たからではないでしょうか。

 

千葉 : 官邸デモは、国民の意識が変わり、原発ゼロを望む世論が広がった結果です。
 最近の東京新聞の調査では、6割近い59%の人が原発ゼロを目指す結果となっています。民主党政権では閣議決定もできない、財界や米国の圧力が強まっています。

 

久保山 : 東海村・村上村長の話は、福島第一原発だけでなく、女川や東海村の原発もぎりぎり津波に耐えた状況があり、特に、東海村の原発は、2日前に防潮堤を高くしていたので、功を奏したと言っていました。
 それがなければ、福島第一原発と同じような被害となり、首都圏の人も避難しなければならず、青ざめたと言っていました。原因解明ができていない中、安全神話を繰り返すのは問題があります。

 

千葉 : 福島の4町村長の談話では、東京で使うために遠くに原発を作ったということは、国や東京電力は安全でないことを分かっていたのではないか。今回の事故は明らかに人災であり、安全神話が固定観念となってしまったこと、国の安全規制がこんなにもゆるいものだったことが残念で悔しい。
 使用済み核燃料の処分がいまだ確立していない。今年の夏も猛暑でしたが、電力不足に陥ると言われていましたが、再稼働なしですんだ。
 財界は、よくコストが高くなるとか経済が衰退することを言っていますが、自然エネルギーの普及が進めば進むほどコストが安くなります。雇用効果も原発の13倍、ドイツでも言われています。経済のコストの問題を見ても原発をゼロとすることが叫ばれて当然だと思います。
 社会は変えられる、未来に希望が持てる、模索しつつあります。

 

久保山 : 官邸前の若い人たち等、関心が高いのは、放射能の問題が大きいと思います。チェルノブイリ事故の映画を見ていますが、子供は細胞が活発ですから、放射能被害が大きい。甲状腺がんとか白血病は、5年経過して出ています。
 福島も同じような被ばく線量、今後2、3年たってから出てくるのではないかと危惧しています。
 私が生まれた年の1954年3月にビキニ環礁の核実験がありました。翌年から原水爆禁止運動がはじまり、同じ年に中曽根元首相が「原子力の平和利用」をいい、予算に計上しています。
 原発は、コスト面で高くつき、CO2もたくさん出しています。

 

 憲法改正について

 

千葉 : 今、外国のメディアは、日本の右傾化に対して懸念を表明しています。
 逆に日本のメディアは、真正面から批判していません。かつてならもっと批判していたはずです。大手メディアは、原発の報道同様、国民から見放されて来ています。
 集団的自衛権の行使の問題ですが、軍事同盟を米国と結んでいます。米国が戦争を始めたら日本が武力攻撃されていなくとも自衛隊が参戦すると言う構図です。
 侵略戦争の反省の上に、戦争放棄を国の基本とした憲法を根底から覆すものです。
 日本は、憲法9条があって、戦争をしない、1人の外国人も殺していません。
 憲法9条改正の動きは、大変、危惧しています。

 

久保山 : 憲法は、福祉社会を展望しています。国民への締め付けでなく、政治を司る人間が暴走しないようにするものです。二宮厚美先生が昨年の新春経済セミナーの中で話していましたが、民主党政権が東日本大震災後、いち早く原発の収束宣言をし、消費税率の引き上げ等、公約違反を進めました。
 二宮先生は、「野田総理が新自由主義を宣言した、小泉内閣の構造改革を蒸し返して来た」と言われていました。
 憲法が求めている福祉国家に反することをしています。
 今年は、最後の砦の憲法を守り、福祉国家をつくるのか、憲法を改悪して格差社会をつくるのかの重要な年になるのでしょう。

 

千葉 : 憲法改正の動きは、日本がアジアの中で生きていけないことになります。
 戦後67年が経過していますが、世界に誇る憲法9条を本当に今守っていくことが大事なことです。

 

 60周年に向けて

 

千葉 : 第一経理は、今年、顧問先、諸団体、地域の皆様に支えられながら、おかげさまで60周年を迎えます。本当に皆様には感謝する次第です。
 あらためて思いますのは、今第一経理があるのは、創業の理念があったからと社員は身に染みて感じています。社会が転換期にあり第一経理も同時に世代交代など節目の時期を迎えています。

 

久保山 : よく世話人会でも話題になるのですが、一会計事務所でこれだけ歴史があり、発展して来たこと、一・一会という顧問先の組織があることは特異なことです。
 一・一会の会長として50周年の記念史をあらためて読みまして、つくづく思うのは創業の時の理念に社員が団結しているのが一番の強みだと思います。
 「納税者の権利を守る、中小企業の経営を守る」経営方針に基づいて、追求して来た。
 経営的にはいろいろ試行錯誤してきた中、総合経営コンサルトを目指し努力されている。
 民主的運営が発展の基礎だと思います。
 特徴的なのは、顧問先と共に歩み、また、一・一会も60周年を迎えますし、第一経理ニュースも継続されてきたことです。
 一・一会として、どういうスタンスでどう発展したらいいのか、私も会長になって1年ですので、不勉強なところもありますが、自社ではなるべく一・一会の話をするようにしています。今後は、経営者だけでなく社員も含めて、交流が広がっていけばいいと思います。
 コミュニティを広げて、異業種交流、あっせん事業など、ビジネスチャンスを広げる機会を作っていただけたらと思います。

 

千葉 : 中小企業の置かれている経営環境は、大変に厳しいですが、これまでも多くの難局を乗り越えて来ました。
 一・一会は、研鑽と交流の輪を広げ乗り切って行きたいと思います。

 

 

―本日は、有難う御座いました。

  社会、政治状況が閉塞感に満ちているときは、極端な主張が支持されやすくなります。私達は、冷静な判断能力と常識、バランス感覚が必要になります。

 (文責 武江 勇)