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第一経理ニュース

随想 No.49

過去・現在・未来



 弁護士法人 パートナーズ法律事務所
弁護士 原 和良

  1.  2013年、新しい年がはじまった。人間は、うまくいかない壁にぶち当たると過去を振り返り、あのときこうすればよかった、こうなっていなかったはずなのに…としばしば後悔する。たいていの場合、現在の自分の状態に不満がありその不満を過去の出来事に原因づけて思い悩む。人はこれを「過去を引きずっている」と言うが、肩についたゴミと同じで、渦中の本人にはなかなかわからない。
     しかし、過去は変わらないのも事実である。あるのは、日々過去になっていく現在だけである。過去を振り返ることは今をよりよく生きるためにだけ意味がある。
  2.   よくも悪くも、現在は、過去の到達点であり、現在があるのは過去が間断なく続いているからである。
     それをあれこれいわずに、ありのまま一度受け入れてみると、意外に見える世界が広がるものである。
     一般に、過去にこだわりすぎていると、目の前に新しいチャンスが広がっていること、意外と世の中はおもしろいことに気づかない。エネルギーの無駄遣いである。
     過去は変えられないが、未来は変えられる、とはよく聞くことばである。そういう意味では人間は、常に変えられる未来のために現在を生きる存在であるといえよう。その場合、過去と切り離されたところに未来があるのではなく、過去の蓄積である現在があってそこから現実に変えられる未来があるのである。
  3.   年末に日本では総選挙が行われた。ある意味では、予想を裏切られる結果だったかも知れないし、意気消沈している人もいるかも知れない。過去の日本は、よくも悪くもあるがままに受け入れることから始めなければならない。
     3・11の大震災を経て、日本は確実に変わろうとしているし、世界の変化も早い、と感じているのは私だけだろうか。いや感じているからこそ、大きな変化が政治の世界にも起きるという予感がしていたのにその予感が期待はずれに終わったことに困惑しているのかも知れない。
     しかし、変わりつつあるという実感は、これもありのままの現実であり、変わりそうで変わらないという事実もありのままの現実である。
  4.   昨年、ある自動車メーカーのテレビCMが話題になった。
     「がんばっていれば、いつか報われる。持ち続ければ、夢はかなう。そんなのは幻想だ。たいてい、努力は報われない。たいてい、夢はかなわない。そんなこと、現実の世の中ではよくあることだ。それが、どうした?スタートはそこからだ。新しいことをやれば、必ずしくじる。腹が立つ。だから、寝る時間、食う時間を惜しんで、何度でもやる。さあ、昨日までの自分を超えろ。…」
     まさに、スタートはこれからだ。
  5.   アメリカの詩人サムエル・ウルマンの「青春」の詩に、次のような一節がある「年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いるのである」。現実を確かに見つめ、理想を失わずに未来を展望して今を全力で生きる。そんな一年にしたいものである。