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第一経理ニュース

随想

「弁護士研修ノート」を発刊した真意

 

弁護士法人 パートナーズ法律事務所
弁護士 原 和良

 

1. 弁護士大失業時代の到来  

 今年3月下旬、レクシス・ネクシス社から「弁護士研修ノート(相談・受任~報酬請求 課題解決プログラム)」という法律入門の本を出版した。 
 難関の国家資格の代表とされる司法試験。合格後は、裁判官、検察官、弁護士になる資格を得るが、大部分は弁護士として登録する。 
 2000年代に始まった司法改革=ロースクールの設立と弁護士人口大幅増員の影響で、就職できない若手弁護士が激増。多くの法律事務所も過当競争の中で厳しい事務所経営を強いられている。

 

 


 2. 弁護士もサービス業  

 これまで、多くの弁護士は、ビジネスという意識をほとんど持っていなかった。弁護士はサービス業か否かが大激論になる業界。人に頭を下げるのがいやで弁護士になったという人が大半であったが、もはやそんな時代は終わった。医療業界から遅れること約20年。患者が患者様に変わったように、今や司法界でも依頼人は依頼者様へ変わらなければ、弁護士と法曹への市民の信頼は得られない。

 


 3. 心の痛みを理解できる弁護士を目指して  

 本書は、OJTの機会に恵まれない若手弁護士へのアドバイスを目的にした本である。若手弁護士からは、「依頼者にどう向き合ったらいいかわからない」「報酬のもらい方がわからない」という実務のイロハからメンタルヘルスの問題まで様々な相談が寄せられる。本書で伝えたかったことの神髄は、依頼者の心の痛みを全人格で受けとめる傾聴の大事さ。所詮、法律は、問題解決の道具であり、道具を操る法律家の人間力こそが、困難に直面し苦悩する依頼者のお手伝いができる。

 


4. 変化を脅威ではなく、機会としてとらえる(ドラッカー「経営者の条件」)  

 弁護士がそのスキルを生かして活躍できる場は無限にあるはず。大増員に責任を押しつけていては何も変わらない。高齢者のサポート、障害者問題、離婚問題、国際ビジネス、中小企業の法的サポートなど、弁護士自らが魅力的な「商品」開発する努力が求められている。

 


5. 「他人を幸福にするのは、香水をふりかけるようなものだ。香水をふりかけるとき、自分にも数滴はかかる」 

 これは、有名なユダヤの格言で、ご存じの方も多いだろう。われわれの仕事ももちろんである。最近、ブラック企業という言葉が大流行であるが、世の中の会社の存在意義は間違いなく他人を幸福にすることにある。他人に香水をかけようという気持ちをもった経営者、企業、人が少しでも増えていけば世の中はもっと快適で過ごしやすい社会になるのではないだろうか。
 まずは、自社からそんな会社づくりを始めたいものだ。 
 拙著は、まずは弁護士及び法曹関係者に読んでもらうことを目的に書いた本ではあるが、弁護士が何を考えているか、を知る上で、経営者が読んでもわかりやすくおもしろい本にしたつもりである。