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第一経理ニュース

随想

日弁連ニュースから見えてくるもの

 

 

 弁護士法人パートナーズ法律事務所
弁護士 原 和良


1. 弁護士会は、全弁護士加入する強制加入団体である。各単位会の連合体が日本弁護士会連合会(日弁連)であり、毎月ニュースが送付される。
 日弁連と単位弁護士会には弁護士自治が認められており、国の監督を受けないという日本でも、特異な団体である。日本国憲法は、34条で拘留・拘禁に対する弁護人依頼権、37条で刑事被告人の弁護人選任権を規定している。憲法自身が、国家に対抗して被訴追者を擁護する弁護人(弁護士)の活動を認めており、その弁護士を国家が監督するのは自己矛盾であることから、弁護士は国家に統制されないという制度設計になっている。憲法には、刑事弁護人に関する弁護士の地位しか規定がないが、法律で国や地方公共団体を相手とした行政訴訟、民事訴訟の代理人として法律事務を行う権限を付与されることにより、権力をチェックするという大事な憲法の番人としての大事な役割を与えられているのである。

 

2. 先月号(8月号)の日弁連新聞・日弁連委員会ニュースは、今の司法界と弁護士を取り巻く状況を反映して興味深い内容となっていた。
 まずは、司法予算(裁判所予算)についての解説記事。三権分立といわれ、立法府・行政府とならび裁判所は大事な人権の砦のはずであるが、裁判所予算は年々圧縮され、平成25年度はついに3000億円を切ってしまった。国家予算の0・323%というお寒い限りである。この中には、裁判官の報酬も含まれる。ご存じのように公務員給与の減額の中で、裁判官の報酬も大幅にカットがされている。裁判官は、相当額の報酬を保障され、在任中はこれを減額することはできない、と憲法には規定されている(79条、80条)。憲法違反であり、友人の裁判官は、みんなこの報酬カットに怒り心頭である。是非、勇気ある裁判官には違憲訴訟の原告になってほしい。

 

3. 裁判官・検察官・弁護士になるには、司法試験合格後、司法修習生として1年間の修習を義務づけられる(昔は2年間であった)。この期間、修習生は公務員に準じて給与が支払われていたが、一昨年から給与が廃止され無給となった。ロースクールの学費、修習期間の生活費等の負担が大きいので、現在、法学部、ロースクールに入学し法曹を目指す人は激減している。有為な人材が法曹界を目指せなくなるのは、国家にとっても国民にとっても大きな損失である。昨年12月に弁護士になった新人弁護士211名が、給費制廃止は憲法違反であるとして、4つの地方裁判所に提訴した。今後の訴訟を注目したい。

 

4. 新聞のトピックは、「弁護士とメンタルヘルス」。経済難と事件の重圧の中で、うつ病が激増している。弁護士の不祥事がマスコミを賑わせているが、多くがこのようなメンタルヘルスの問題と関連している。弁護士の自己変革が必要なことはもちろんであるが、しっかりした司法と人権の守り手である弁護士を国民がどう育てるか。無関心のツケは結局国民に回ってくるのであり、多くの方々に関心を持っていただきたいものである。