• 【東京・埼玉で税理士事務所をお探しの方へ。第一経理は中小企業の皆様に、身近でかけがえのないコンサルタントとして60年超の実績があります。】

第一経理ニュース

我が社の原点

現場主義!!

 

 

 

 

 

株式会社GMP
代表取締役 稲村 匡咨 (いなむら きよし) 氏

 

 

 人材派遣やポスティングサービス、試供品等の配布などを行うセールスプロモーション事業を手掛ける株式会社GMP。本日は、昨年8月で創業20年を迎えた株式会社GMPの稲村匡咨社長と須田 良(すだ りょう) 取締役にお話を伺ってきました。

 

 

 聞き手 : 池袋本店第一事業部 石井克也

 

 創業に至った経緯

 

―御社は平成6年に設立されていますが、創業した際の経緯などをお聞かせください。

 

社長 私はとあるSP(セールスプロモーション)の専門会社でプロモーションマネージャをしていました。紆余曲折あり当時の会社を辞めて、通信機器の会社で丁稚奉公のような形で働き始めました。
 その会社で一年半働いた後、すでに起業していたかつての同僚と共に始めたのがGMPの前身です。最初に起業したのは練馬の光が丘、平和台のマンション事務所でした。当時はGMPの商号ではなく、僕は役員でもなんでもなかったんです。
 その後、人が辞めていく中で、最終的に2人になった時に有限会社GMPを設立しました。
 ちなみにGMPという社名は、Global(総合的)に、Marketing(顧客ニーズに適したサービスの提供)を、Produce(製作・実行)する、という頭文字をとったものです。

 

―創業時から人材派遣業を行ってきましたが、今と創業当時では、違いはありましたか。

 

社長 今でこそ人材派遣という言葉は一般的になっていますが、創業当時は人材派遣業界自体、メジャーではありませんでした。中小企業は派遣という形態ではなく、業務委託契約をして、出向社員として人を送り込むというのが主流でした。
 その後、法律が整備され、名称も変わり人材派遣という形になったのです。創業当時は、業界最大手でも120億円ぐらいの規模という小さな業界でした。
 広告代理店には、それぞれセールスプロモーション(SP)局というのがありますが、そのSP部門だけが独立した会社というイメージですね。

 

 ポスティング事業との出会い

 

―現在、御社では人材派遣の他にポスティング事業部があります。一見、あまり関連が無い事業に思えるのですが、始めたきっかけがあったのですか。

 

社長 人材派遣のほかに、当社で手掛けているセールスプロモーションというのは、大手企業の広告宣伝費から予算が出る仕事です。
 バブルが崩壊した後、広告宣伝費が一気に縮小されて仕事がかなり薄くなりました。
 しかし、まだ不動産だけはバブルの名残があったのでしょう。求人情報誌をみると、「ポスティングスタッフ募集」という募集広告が多く目に付きました。
 そこから、ポスティングってどういう仕事だろうと思い、求人誌に掲載されていた業者を訪ねました。その業者に話を聞いてみるとポスティングの仕事がまだまだあり、「人を抱えているなら、仕事を回してあげるよ」という言葉をいただいたのがきっかけでした。
 それから、人材派遣とセールスプロモーション、ポスティングという現在の3つの事業形態となっています。

 

 創業当時からの信念 「現場主義」

 

―創業当時から心がけていることがあれば教えてください。

 

社長 会社の創業当時から今も変わらないのは「現場主義」という考え方です。お客様というのは今も昔もわがままなのです。ポスティングビジネスでもそうですし、派遣もそう。
 まだそんなに競争が激しくなかった時は、当たり前のことを当たり前に、お客様のニーズに100%応えていればナンバーワンになれる業界でした。要は手を抜く会社が多かった。信頼第一、現場主義でやれば、ナンバーワンが勝ち取れるというのが私の考えです。

 

―一般的に顧客ニーズに120%、130%返すといわれていますが、ニーズに100%応えることが目標となるのですね。

 

社長 人材派遣だろうがポスティングだろうが、売りに直結するものではなく、販売促進として反響を出すものです。
 そう考えると販売促進というのは120%にはできない。求められたものを求められたように返すことが重要なのです。しかし、業界も変わり100%を超えてやらなければならないこと、積極的にやることも増えました。
 ポスティングの場合、配布エリア組みですね。今でこそ当たり前ですが、当初は紙の地図をコピーして印をつけるのが普通でした。最近では、ソフトに国勢調査のデータを投入して、お客様にポスティングエリアを提案することはやっていますね。
 派遣の場合、あくまでも人のスキルが肝心ですから研修が重要です。研修の密度を濃くして、すぐに順応できる状態をつくりあげることを心がけています。具体的には、うちは家電量販店の派遣に特化しているので、挨拶などの礼節だけでなく、商品知識をつけるための研修を行っています。

 

―研修というのは、講師等外部にお願いしているのですか。

 

社長 研修は当社の社員が行います。場所も当社の会議室でやります。一日十人の研修を行う、という日もありますよ。
 当社の社員は、全員現場を経験しているので、講師もできるし、そのあとのマネジメントもできます。現場主義のいいところですね。
 現場を知っていると、生半可では送り出せないですよ。まして自分がお世話になった店舗とかお客様に送り出すとしたら、妥協はできません。

 

―なかなかそこまで責任を持って派遣している会社も少ないでしょうね。

 

社長 少ないと思います。いい時代には、質の良し悪しは表面的に出にくいですが、今のような厳しい時代になると、ほんとに差が出ますね。お客様が限られた予算の中で派遣の削減を検討した場合、当然、質の悪い派遣会社から契約を打ち切られる。
 うちは派遣でもポスティングでも、請負感覚で商売しています。ポスティングもただ配るだけの依頼ですが、クレームなど何か問題が起きた場合、すべて当社が対応し、解決する仕組みになっています。

 

―ポスティングに対するクレームにはどのように対応するんですか。

 

社長 基本的に現場の人間が対応しています。昔は全部、僕がやっていましたけど、今はほとんどやってないです。いざという時以外は現場の人間に任せています。
 私はクレームというのは、いいことだと思っています。現場の社員に業務報告書は提出させますが、ポスティングした先に配布証明を出してもらったり、印鑑をもらう、ということは当然できません。クレームがくるということは、やっている証拠になる。
 何百、何千件とポスティングをしてクレームがゼロというのもちょっと変な話ですからね。

 

 創業から20年。これまでを振り返って…

 

―平成6年に設立されて今年で20年。これまで事業規模を拡大してこられた秘訣のようなものはありますか。

 

社長 秘訣を教えて下さいと聞かれることはよくありますが、基本的にはないですよ。強いて言うなら、「同じ目線で考える」ことですかね。
 私も従業員と同じ現場出身なので、従業員が何に苦しんでいるか、というのは一目瞭然でわかります。売上げが少ないからとか、取引先との関係とか、悩みはほんとに様々です。悩んでいるんだったら、一緒に悩もう。困っているんだったら、一緒に困って、解決すればいいのだから。そういうスタンスです。

 

―この20年間で、一番印象に残っていることはありますか。

 

社長 ある大手広告代理店から受注したポスティング案件でのことです。規模が大きすぎるからと一度はやめようとしたんですが、担当者がどうしてもやりたいということで、私に相談があり、やることに決めました。
 実際に取り掛かってみると、やっぱり規模が大きく、私も現場に出突っ張りでやりましたが、やってもやっても終わるものではありません。
 ある時、ポスティングではない他の事業部の社員が応援に来ていると知りました。私は現場に出ていて全然知らなかった。
 たまたま、その社員に電話をした際に「何やってるの」と聞いてみると「○○と今どこそこにいます」というので、「そんなところで何やってるの?」と聞くと、「社長が終わらないと言ってたじゃないですか」と。
 これは強烈でした。僕は何の指示もしていないんですよ。同じ部署ならまだわかりますが、違う部署から、それも誰に言われるでもなく社員の意志で手伝いに動いてくれた。これは今でも印象に残って離れません。

 

稲村社長と須田取締役

 須田さん 社長に意見が言えるところだと思います。トップダウンであれをやれ、これをやれと言われるのではなく、いやだと思ったらそこはいやだといえる。自分の考えでものが言えるところは、会社にとって最大の魅力だし、社長の魅力だと思います。

 

社長 最近すごく思うんですが、トップダウンは楽ですよ。私は性格的にできないけど。でも従業員は絶対に伸びないですね、考えることを止めてしまう。
 最近の悩みといえば、トップダウンはやらないけど、従業員もまだまだ考えていないということですかね。
 現状、私がアンテナをはって情報を集めてきて判断もする、という形です。理想としては、従業員が情報を集めて考えて、そのうえで提案してきたことに対して、私が判断を下す、というように成長してくれればいいと思っているんですが、残念ながらそこまではやれてない。
 次のGMPのステップとしてはそういう人間を育てることが必要です。三人ぐらいは出てこないと厳しいと思いますね。

 

 これからのGMP

 

―これから先、どのような方向を目指すとか夢はありますか。

 

社長 正直、今、あんまり難しいことは考えてないです。やりたいことは山ほどあるのですけど、あと2年半で私も50歳なので、それまでにはやりたいことを考えようと思っています。ただ、何をやるにしても現場主義って、いいところもあれば不都合なこともあります。
 今の事業はその現場を知っているから成り立っているのです。知らない現場だとゼロからのスタートです。
 例えば、もう一社ポスティングの会社をつくろうと思えばできます。そこで5年かければ同じ売上は無理かもしれないですが、年間3億ぐらい売上を立てるだけのノウハウは持っている。でもまったくの異業種に出ようとしたら、なかなか難しいでしょう。
 ただ、漠然とではありますが、今ある20数億の売上を活かして、GMP20年の集大成となる事業ができたらいいなと考えています。私たちが手掛けてきた、この20年が間違っていなかったということが立証されるような事業をすることができれば、これは素晴らしいことだと思います。

 

―なるほど、それは本当に素晴らしいことですね。

 

社長 具体的には全然ありませんが、私は飲食が好きなので、そっちの業界もいいかなって思っています。今若いエネルギーが集まっている業界だと思います。エネルギーが集まるところには何かあると思うんです。
 また、GMPは今まで独自の路線を歩んでここまできました。どこかの競合企業を意識してきたということがないんです。だから、飲食店のライバル関係ってすごく面白いし、そういう商売をやってみたいなって思うんです。
 例えば、ラーメンだと日高屋と幸楽苑とか。切磋琢磨じゃないけど、ライバルがこうやっているから、うちはこうしよう、っていうのが仕事の中では一番やりがいが出るのではないかと思います。
 そういうのを最後に味わってみたいというのがありますね。この飲食にまつわる仕事と、GMPの事業を絡ませることができたら最高ですね。

 

―本日はお忙しい中、ありがとうございました。

 (石井克也)