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第一経理ニュース

随想

訪タイ

 

弁護士法人パートナーズ法律事務所
弁護士 原 和良

 

1  2月5日から8日まで、中小企業家同友会のメンバー7名でタイを訪問した。今回は、日本だけでなく在日の韓国の企業家も同行し国際色豊かな視察旅行となった。東京で何度も会っているメンバーではあるが、一緒に数日間寝食をともにすることは、普段ではわからない相手の性格やバックグラウンドを知る上で有益だ。旅に出る度にしみじみ思う。
 バンコク現地では、タイの弁護士たちと懇談し、クーデターの評価、市民の受けとめ、今後のASEANの経済統合、日本人ジャーナリストの殺害とISの問題など、について意見交換を行った。今回は、さらに、友人のつてで、日本の新聞社の支局長と会食の機会も実現した。現地記者からは、日本に記事として配信できない裏話も伺い、「seeing is believing」(百聞は一見にしかず) を実感した。

 

2  日本にも解決の難しい政治的問題が存在するが、同様にタイにも難しい問題が山積する。少子高齢化、成熟社会を迎えた日本では、人口減少社会・高齢化社会を迎えこれまでのような経済成長は望めない。成長一辺倒の社会から新たな価値をどう作り出していくかの模索が続いている。タイでもすでに人口ピラミッドの上では高齢化社会化が始まっているようであるが、ASEAN経済統合の中で東南アジアの地理的・経済的中心であり続けることには変わりはないであろう。しかしながら、政治の安定や国民の間にある貧富の差の是正の問題など、抱える問題は小さくない。
  そういう意味では、理想と現実のギャップはどこにも存在する。理想だけが先行していた自分の若き日を振り返りながら、現実は現実として受け入れながらも理想は失わず、歴史の大きな流れを受け入れ、自分のできることにフォーカスして取り組むことの重要性がわかる年齢になったような気がする。せっかちだけでは、物事は進まないのだ。

 

3  今回の旅では、今まで国内外で蒔いてきた種がやっと実を結びつつあるといういくつかの体験をした。人生に無駄なものなどない。勉強でもダイエットでも仕事でも、2年、3年と続けていてもなかなか思ったように成果がでず、方向性が間違っていたのではないか、もうやめた方がよいのではないかと思う時期がある。とりわけ、海外事業というのは、やりはじめると予想もしなかったハードルにぶち当たり、砂に水をまいているような気分になるものだ。
  しかし、そういう時期は、飛躍の準備期間であり、蓄積してきた知識、経験、ネットワークが、ある時期とてつもない力を発揮してつながる時期が訪れることがある。松下幸之助氏は、これを「時を待つ心」という文章の中で説いている。スティーブ・ジョブスは、スタンフォード大学のコメンスメントの中で「ドット」(点)の話の中で同趣旨のことを話している。そんな興奮を予感できた訪タイであった。

 

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