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第一経理ニュース

随想

東京を歩く

 

スタビライザー株式会社
代表取締役 阿部 敏夫


 私達の読書会は足で本を読む?のだろうか。課題本をメンバーの一人が選定する。ほぼ持ち廻りで特定の誰かが続ける訳でもない。
 そのため格調が高い文学書であったりスリル満点のミステリーであったり、で、一貫性がないと言えば言えなくもない。それでも15年以上も同じメンバー(おおよそ)で続いているのは読書の他に顔を見ながら近況報告を聞く。併せてビールや水割で喉をうるおす。

  この儀式のあとに読後の感想を順ぐりに述べあう。これが楽しいのである。参加者は仕事や家庭のやりくりを付けて駆けつけている。
 日常のルーチンワークから開放される瞬間でもある。
 晩秋のこの日は明治神宮の絵画館前に集まった。重厚なこの建物、正式には聖徳記念絵画館と物々しい名前がある。外から見たことはあっても中に入った人は少ないに違いない。入館料は500円。この名前からして施設維持協力金と由緒正しそうなのである。

p11-たそがれのいちよう並木通り

たそがれのいちよう並木通り

  中の絵画が素晴らしい。明治は、このように始まったのだと一目瞭然。富岡製糸場の絵も佳かったナー。その前年、現地に行ったのだから。
 とに角、未だの人にはお推めである。後髪を引かれる思いで(もっとも後髪も前髪も私の場合少ないのだが)絵画館をあとにする。
 すぐそばの広場で各地の名産品(郷土料理)を商なってにぎやか。早速、皆で軽く下地をつける。
 いちよう並木を青山通りに向かって歩き、東京も捨てたものではないと夕暮れの街に感慨一入。


 

ミッドタウンの夜景

  夜の電気は使い放題なのだろうか。暮れなずむいちよう並木を後にタクシー二台に分乗。青山通りを乃木坂のミッドタウンに向う。このメンバーの中には「坂を楽しむ会」の主要メンバーが居るのもミソ。タクシーの中は、まるで中学生の修学旅行並のにぎやかさである。二人なら通常の会話が三人になるとなんでこんなに賑やかなのだろう。ほどなく車を降りて、ゆるい坂道を歩きだす。
 すると道路のあちこちにLEDライトが点灯してまるで別世界のよう。嬌声(きょうせい)をあげながら場所を移動しつつ吾を忘れて夜景に見とれるのだった。

  坂の向うにオレンジ色の光を浴びて艶やかな曲線を浮かびあがらせているのが東京タワー。ただ背の高いだけのスカイツリーに較べると何とも古典的な美しさである。去り行く昭和のノスタルジーとでも言っておこうか。ア、スカイツリーファンも多いので好みの違いです。
 計画をたてて歩かないと東京の坂道もままならないと遅ればせながら気がついた。夜の楽しい坂道は神楽坂と並んで、この界隈も候補にあげておこうか。
 香港のビクトリアピークの派手さと違って身近な所に何気なくある場所。知らなかったのだ、都心の美しさ。
 充分に眼福を得たらコーヒーを飲みたいと女性陣が言いだした。
 七人も固まって座れる席をやっと捜しあててホッと一息。
 楽しい時間は速い。次回は何処にしようかと胸に思い描きながら帰途についた。

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