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第一経理ニュース

放っておくと危ない!社会保険等未加入問題

建設業の現場からの声

 

 昨年のニュースで、2度にわたり建設業界における社会保険等未加入問題について紹介いたしました。今回は、この問題に対しての対策の実例を踏まえて、未加入問題についての現状をご報告いたします。

 

 

!! 社会保険等加入に向けての動き

 
 社会保険等未加入問題で建設業界が揺れる中、実際にゼネコン等の主要取引先より社保加入に関する要請・指導を受けた中小建設業者が増えてきています。ここでは、実際にこの問題に取り組まれた会社の実例をご紹介いたします。

 
①元請から社保加入を求められているA社(解体工事業)の場合

  A社は中堅ゼネコンの孫請けで、近年、主要取引先から加入要請が強くなってきていた。この要請に対し、社保加入時の費用負担等を見積り、どの程度の受注単価の引き上げが必要か試算を行い、現在交渉を進めているが、交渉は難航している。社保加入時期に関しても調整しているが、あまり猶予はない。

 
②下請け業者に社保加入及び建設業許可取得を求めているB社(鉄筋業)の場合

  B社でも、主要取引先からの加入要請が強くなってきていたが、そんな折、売上請求に法定福利費を上乗せして、売上請求をしても構わない旨の指導があった。そこで、下請け業者(個人事業及び法人合同)に対して、社保加入及び建設業許可の取得の要請を行うこととし、社労士・行政書士を交えて説明会を行った。
 社長は、社会保険だけでなく、建設業許可取得も併せてなので、下請けさんが他社に移ってしまう危険性もあるが、ゼネコンとの信頼関係もあるので、やむを得ないと判断している。

 
③これを機会に常用外注の雇用を検討しているC社(型枠工事業)の場合

  C社は、既に社長ほか従業員は社会保険に加入しているが、取引先の間で常用外注の一人親方に対し、社保加入の要請が強くなっていることを感じていた。そこで、今後の取引先や常用外注との関係を考え、常用外注を従業員として雇用し社会保険に加入してもらうよう説明会を開いた。若手の人たちは加入に関しておおむね理解を示しているが、年配の人たちは社保加入による手取りの減少が気になり抵抗があるようだった。

 

!! 国は未加入事業者に対策を強化

 
 平成28年1月13日の衆院予算委員会で安倍晋三首相は「200万人の件は確実にやるように(塩崎恭久)厚労相に指示する」と答弁し、政府として厚生年金の未加入対策を強化する考えを示しました。(厚生年金に入る資格があるのに年金額の少ない国民年金に入っている人が約200万人と推計されています)
 これを受けて、厚生労働省は13日、保険料負担を逃れるため、厚生年金に入っていない可能性がある約79万事業所を対象に緊急調査すると表明しました。
 これからますます社会保険等未加入事業者に加入に向けての対策は強化される見通しです。中小企業にとって、加入に伴う様々な負担は、経営上死活問題になりかねません。国は2017年度までに建設業許可業者は100%社会保険に加入をうたっているだけに、この問題については早急かつ慎重な対処が必要です。

 

(渡邊幸樹)