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第一経理ニュース

税務調査最前線

お尋ねの乱発!

  税理士 保泉 雄丈

 

 ■最近の税務調査の傾向

 

 税務調査の手続きが法定化されたことにより、税務署内での事務処理量が増えたため減少傾向にあった税務調査ですが、増加傾向に転じています。
 業種で見ると、ここ数年は情報サービス業が申告漏れ所得金額の上位に必ず入っていたのが特徴的でした。前事務年度は建設業が好景気だったことを受け、型枠工事業、土木工事業、鉄骨鉄筋工事業、冷暖房設備業などが上位に入ってきており、税務署の調査選定にあたって注目業種となってきているようです。

 

「お尋ね」の乱発

 

 税務調査の件数の維持を図りたい一方で、人手不足のため過重労働になっていることから、調査の効率化を図り実績を挙げる手法として「お尋ね」と呼ばれる文書が乱発されています。

 ①不動産の譲渡のお尋ね

 平成27年の確定申告にあたっては、不動産を譲渡した方には必ずといっていいほど、不動産の譲渡に関するお尋ねが封書で送られてきていました。譲渡した登記情報が法務局から税務署に流れ、その情報をもとに税務署が機械的に送っているようです。買った金額より安く売ったので税金は大丈夫だと思っていたところにも送られてきています。


②不動産の購入資金のお尋ね

 自宅や投資用のマンションを購入した場合に、一定の金額以上のところには購入資金の出所についてお尋ねが送られてきます。購入資金の出所が奥さんや親などの場合には贈与税の問題が生じます。税務署内部の資料によると94件のお尋ねを送付した結果、5件の自主的な期限後申告があり、回答内容から28件の実地調査へ移行し一定の成果を挙げた、という報告があります。


③相続税のお尋ね

 相続税のお尋ねが非常に多くなっています。相続税の申告について注意を促すものなのですが、相続税の基礎控除が下がったこともありお尋ねを送る基準が下がり、相続財産が自宅と預貯金だけで基礎控除を大幅に下回っている方のところにも送られてきています。不動産の所有状況や過去の所得税の申告内容から機械的にピックアップしているようです。

 最近の税務署からの「お尋ね」は何かの根拠があってというよりは、一定の基準に基づいて機械的に送られてきています。「お尋ね」は行政指導であり、返答しなくても罰則はありません。特に相続税のお尋ねについては相続税の申告書と同じレベルの内容の記載を求められます。申告義務がないにも係らず申告書を提出したのと同じになってしまい、非常に問題があります。

 

 税務調査の現場から

 

 最近調査で論点となった事項に得意先に対する「リベート」があります。少なくなってきたとはいえ業種によっては、依然として慣行的に行われているようです。得意先に対するリベートは一定の契約に基づいていれば販売促進費や紹介手数料となりますが、そうでない場合には交際費となります。
 また、相手先が明らかな場合には問題とならないのですが、例えば相手先の名前を出せない場合、相手が得意先の従業員であり会社に知られると問題な場合、相手先が収入について申告していない場合などに問題が生じます。
 相手先の名前を出さないと税務署は「架空ではないか」、「内容が確認できないため交際費として認められない」、「確認のため相手先に反面調査に行く」と言ってきます。こちらは相手先に迷惑をかけられないため、対応が難しいものとなります。
 このようにリベートの処理については様々な事情が絡み非常に複雑なものとなりますので、対処方法について事前に弊社の担当者にご相談下さい。