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第一経理ニュース

三〇条の言い分

 

 

 第一経理ニュースが創刊された1954年、黒澤監督の名作『七人の侍』が公開され、大ヒットとなった。しかし、この年これを上回る観客動員数を記録した映画があった。11月に公開された『ゴジラ』だ。海底に潜んでいたジュラ紀の怪獣「ゴジラ」が水爆実験により安住の地を追われ、東京に上陸し大暴れするというストーリーだ。実はこの年3月、ビキニ環礁でマグロ漁を行っていた第五福竜丸がアメリカの水爆実験により、大量の「死の灰」と呼ばれる放射性物質を浴びた。無線長の久保山愛吉さんは半年後に死亡、付近で水揚げされたマグロは「原爆マグロ」として築地などに埋められる事態となった。『ゴジラ』はこの事件に着想を得たものだったのだ。そしてこの事件は翌年に第一回原水爆禁止世界大会が開催される契機ともなった。

 あれから63年。今年7月、ようやく核兵器の保有や使用を初めて法的に禁じる核兵器禁止条約が国連で採択された。「核なき世界」への大きな一歩だ。しかし、唯一の被爆国である日本政府はこの条約に不参加、調印しない意向だ。

 久保山さんは「原水爆による犠牲者は、私で最後にして欲しい」と遺して息を引き取った。未来のために、改めてこの言葉をしっかり受け止めたい。      

  (広)