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第一経理ニュース

本のひととき

『 潔 白 』 青木  俊 著

 

埼玉事務所 持田晶子


p7-本 最近も金田法務大臣の署名で2名の死刑執行がされた。一人は再審請求中であったのに。死刑執行済みの再審事件をテーマにしたこの小説は、母娘惨殺事件の犯人が死刑執行された後、遺族から再審請求が起こされる。執行済みの死刑が誤りであったら、国家は無実の人間を殺めたことになってしまう。死刑囚の遺族と検察の攻防が、裁判所を舞台に繰り広げられる。法廷小説であり日本の司法制度がどうなっているかを教えてくれる。
 帯には「死刑が誤りだった時、国は全力で真実を隠蔽する。」とある。重要証拠であったDNA鑑定は正しかったのか?証拠が崩れたとき国は威信を守るために、証拠を廃棄し、裁判所の人事を濫用し、報道を規制する。きっと、実際でもあるだろうと想像できる。事実この小説は、福岡県飯塚市での殺人事件で死刑が執行されてもなお、妻が裁判を引き継ぎ冤罪を訴え、証拠の矛盾が明らかになった「飯塚事件」に着想を得ている。
 読み出したら止まらないミステリーではあるが、死刑制度とは何なのか、人が人を裁くことが出来るのか、人が尊厳を守るとは何なのか、この小説の問いかけるテーマは重い。
 秋の夜長にお勧めの一冊。