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第一経理ニュース

税務調査最前線

まかない代・接待費の調査!

調査事例検討委員会

 

  • 最近の調査の傾向
     法人・個人ともに調査が大きく増加しています。選定対象は赤字・黒字を問いません。個人については富裕層に対する調査が急増しています。特に国内外の投資資産を対象に、申告漏れがないかの調査が強化されています。

  • 調査の特徴点
     今年一年間の調査を振り返って、特に指摘の多かった「まかない代」、「接待費」について実際の事例を交えつつご紹介していきます。基本的な約束事が守られているか、顧問先の皆様も是非ご確認をお願いいたします。

 

1.従業員へのまかない代(科目:福利厚生費)

 飲食店では、お店の食材を使って従業員にまかないを提供していることも多いかと思います。福利厚生の一環のつもりであっても、一定の約束事を守らないと従業員側で「給与」として課税されます。

[事例紹介]
A社 : 飲食店。お店の食材を使い、従業員に無償でまかないを提供している
B社 : 販売業。食事提供に代えて食事代の補填として従業員に現金を支給している

[調査の特徴点]
A社 : まかないが無償で提供されていることから、食材費相当分が従業員の給与に該当するのではないかとの指摘を受ける。食材費はいくらか、いつのタイミングで提供しているか(残業中かどうか)等の確認をされる。
B社 : 現金で支給されている食費相当額について、全額給与に該当するとの指摘を受ける。支給額及び支給理由を精査。一人一日あたりの支給金額、支給時間帯(深夜かどうか)、食事が提供できない環境か否か、につき確認を受ける。

《 ココを確認 》

 食事代が給与とならないためにも次の三つの約束を守りましょう。なお、食事代とは飲食店等(レストランや仕出し業者)に実際に支払うお金ですが、自身が飲食店の場合には、食材原価相当額となります

  1.  従業員にも食費の負担をさせる(①、②両方を満たすようにする)
    ①従業員に食事代の半分以上を負担してもらう。
    ②会社負担額が、1か月当たり3,500円以下に収まるようにする。
  2.  現金での食費の支給はしない
    食費として従業員に現金を渡すことは出来ません。現金支給が認められるのは深夜勤務者に対して②夜食を提供できないとき、のみです。その額は1回あたり300が上限です。
  3. 無償で提供するのは、残業中の社員に対してのみとする
    残業又は宿日直を行うときに提供する食事は、例外的に無料で提供してもよいことになっています。※現金支給は出来ません。

 

2.得意先との飲食代、得意先への贈答品(科目:接待交際費)

 交際費は支出額が大きくなりがちな経費です。本来経費として認められていないのですが、現行税法では条件を備えた場合にのみ一定枠(中小企業は800万円)まで経費となる措置が取られています。
 なお、会議費、福利厚生費等の科目に振り分けられているものであっても、実態により交際費扱いとなります。調査においては、支出の相手先、頻度、内容を細かくチェックされます。

 [事例紹介]
C社 : 飲食費のうち接待先不明のものがある。領収書の筆跡がすべて似ている。
D社 : 同一取引先に対しての接待頻度が高く、贈答・金品の交付も多額である。
E社 : 事業に直結しない個人に対して、慶弔見舞金が支出されている。

[調査の特徴点]
C社 : 相手先を明らかに出来ない支出は交際費とならないのではないか。また領収書全般の筆跡が社長の筆跡と似通っていたため、筆跡の確認を求められそうになる。
D社 : 頻繁な支出は接待の域を超えているとして、自己使用分ではないかと疑いを持たれる。また、接待・贈答の事実について取引先に照会をかけられそうになる(反面調査)。
E社 : 取引のない個人への支出は、事業関連者外への支出に該当するため交際費とならないとの指摘を受ける。

《 ココを確認 》

 交際費として認められるためには、資料の具備と日々の正しい記帳が重要となります。1回あたりの支出金額が大きいものについては、調査で聞かれる可能性が高いです。説明できるように記録をつけておきましょう。

  1. 飲食代について
     
    領収書に必要事項が記載されているかが大変重要です。領収書は、宛名②日付③所在地④発行元の店名あるいは社名が明記されているもの(店が特定できるもの)しか使用できません。5万円以上の現金払いの時には、領収書を受け取る際に印紙の貼付がなされているかも確認してください。交付された領収書には、取引先社名、参加者名(人数)を記載するなどして、接待相手が分かるようにしておきましょう。手帳・カレンダー等に接待の記録をつけておくと調査の時に役立ちます。
     調査中に白紙領収書を利用していると判断された場合には、筆跡の確認を求められることもあります。もし領収書に空欄箇所がある場合には、決して自分では記入せずに、お店の人に埋めてもらうようにしましょう。
     領収書のお店の住所は必ず確認されます。社長の自宅付近で土日も含めて頻繁に利用されている、会社の取引範囲からみて領収書住所での飲食は考えられない等のケースにおいては利用した飲食店に直接照会される場合もあります。
     なお支出額を参加者で割った金額が一人当たり5,000円以下であれば、少額交際費として全額経費になります。また、得意先の参加のない社内交際費について、一部の社員だけで飲食している場合には福利厚生費ではなく交際費となるのでご注意ください。
  2.  贈答品(お品)・商品券の場合
     
    贈答品は相手先を明記し、領収書から贈答内容が把握できない場合には何を贈答したのかを明記しておくようにしましょう。商品券についても、交付先リストを作成するなど配布先を明記するようにしましょう。期末までに商品券の配布が完了していない場合には、貯蔵品として経費から除かれます。

 

 今回、一部ではありますが、税務調査で論点となりやすい事例とその対策についてご紹介させていただきました。調査直前に慌てることがないように、担当者にご相談ください。