• 【東京・埼玉で税理士事務所をお探しの方へ。第一経理は中小企業の皆様に、身近でかけがえのないコンサルタントとして60年超の実績があります。】

第一経理ニュース

平成30年度 税制改正大綱を斬る

  
 昨年12月22日に閣議決定された、平成30年度税制改正大綱について、紹介とその問題点をいくつか指摘したいと思います。

 税理士 長谷川元彦

 

■ 平成30年度税制改正大綱項目の主なもの

 

・給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替・見直し

・事業承継税制の拡充

・賃上げ・生産性向上のための税制

・国際観光税の創設、たばこ税の見直し

・森林環境税の創設

 

■ 所得税、給与所得控除、公的年金等控除の引下げと基礎控除の引上げ見直し

 

 給与所得控除、公的年金等控除は、各一律10万円引下げ、さらに給与収入850万円超、年金収入1000万円超の場合は、さらに引下げを行い、それぞれ頭打ちを設ける。給与に関しては図のようなイメージになります。
 事業所得者にとって、気持ち減税かとも思われるのですが、青色申告控除65万円を電子申告しない場合55万円に引き下げることも改正に含まれています。
 「働き方改革」「フリーランス」を応援する税制とマスコミに出ていますが、「非正規雇用」とどう違うのかと思うのは私だけでしょうか?

p7表・税制改正

                   出典:12月15日発行 日本経済新聞より

  

事業承継税制の拡充

 事業承継税制が導入されて10年余になります。創設された時は、ほとんど使えない代物でしたが、だんだん要件が緩和されてきていました。中小企業団体等の度重なる要望と、中小企業の減少に危機感を持った政府が思い切った改正を行ったものです。
 恒久的な改正ではなく、平成35年3月末までに事業承継計画の申請が必要で、平成39年12月末までに贈与を行うという時限立法となっています。事業承継は税制だけでできるものではありませんが、検討を進めるべきだと思います。

 

消費税簡易課税の見直し

 ほとんど報道されていませんが、消費税10%引上げ時に、農業の食料品売上の簡易課税適用業種を第3種から第2種に変更する内容が含まれています。これは、飲食料品の税率が8%なのに、生産資材は10%の税率になり、簡易課税を選択した場合、負担が増えることを避けるための措置と考えられます。しかし、どの業種でも生じる事柄であり、今後の消費税の問題を惹起した改正ともいえます。

 

森林環境税の創設

 現在個人住民税の均等割に復興特別税1千円が課せられています。平成35年までの時限立法です。これを森林環境税という名前に代えて、課税を行うものです。温暖化対策や地方の森林資源の管理等その目的は理解できなくもないですが、大きな議論なく均等割として課税されることに違和感を感じます。