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第一経理ニュース

第57会 定例一・一会

 

やってみよう! 自社の強みを活かした仕事づくりを

定例一・一会参加のお礼

11月10日に行われた第57回の定例一・一会は、天候にも恵まれ284名の参加をいただき、大盛況となりました。深く感謝申し上げます。
記念講演の遠藤先生、そして各分科会の講師のみなさん、本当にありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。

総会宣言の中には、私たち中小企業をめぐる環境の厳しさとそれに対する政策要望も示されています。今、国会では法人税の減税と消費税の増税が大きな問題となっています。国税庁の発表によると中小企業の76%が赤字、資本金10億円以上の大企業では49%が赤字だといいます。もともと赤字企業だと払っていない法人税を減税しても、その恩恵の大部分は黒字の大企業に回るだけで中小企業には及びません。黒字の恩恵を受ける大企業は利益をどのように使ってきたのでしょうか。1998年と2008年を比較すると社内留保が13兆円から18兆円に、株主配当が4兆円から10兆円に、法人税が11兆円から9兆円になっています。

結局のところ、法人税は減ったが、その分、内部留保や株主配当が増えた。賃金、下請け単価は下がり続けているということです。「法人税は下げたとしても、結果としてお金をため込まれているのでは意味がない」ということです。

これでは、内需拡大に効果なし、中小企業に恩恵なしということです。私たちは総会宣言に記されているように、景気回復と中小企業と国民を応援する施策を強く求めていきたいと思います。
第一経理/一・一会は顧問先や諸団体の皆様にとって、あてにされるパートナーとなれるよう日々精進して参ります。今後とも宜しくお願い申しあげます。

一・一会 会 長 富塚  孝
第一経理 代 表 千葉 秀蔵
一・一会委員会 委員長 山本 雅彦

記念講演 遠藤 功氏(早稲田大学ビジネススクール教授)

“奇跡の再生”を果たした旭山動物園には経営で大切なことが全部ある!!
旭山動物園に学ぶ経営のヒント

会場はほぼ満席の中、旭山動物園の奇跡の再生を題材に早稲田大学ビジネススクール教授、遠藤功先生の記念講演が始まりました。

先生が中国やカタールの生産現場に向かうと「日本的経営」を学びたい人が沢山いるそうです。
海外には管理する側とされる側の2つしかない。しかし日本では自ら問題を発見し自ら解決していく現場、自主管理を徹底し、改良を重ねて品質を良くしていく現場がある。現場力こそ日本の他国にはない優位性なのだそうです。

旭山動物園は来場者数が激減、廃園の危機に直面していた15年前に園長や飼育員たちが動物をこんな風に見せたいと「14枚のスケッチ」を描きました。水の中でアザラシが高速で泳ぎまわる様子を始め、今まであまり注目されなかった動物の本当の面白さを来園者に伝えようと、飼育員が展示の仕方を工夫しコツコツと改善していきます。その積み重ねが10年後に300万人の来園者数という人気につながりました。

旭山動物園前園長は「経営は“串団子”だ。」といいます。団子の大小は個性であり活かせばよい。大切なのは、それぞれの団子が1本の『軸』に刺さっていることなのだそうです。

遠藤先生は多くの企業が意識的に「ノリ」を良くすることが一番重要だと語ります。「日本は次の50年の成長曲線を描く入り口に来ています、皆さん自分たちの未来のスケッチを描いてみませんか。」という先生の言葉に会場は心温かな雰囲気に包まれました。

第1分科会 韮塚作次氏(㈲瓦・造形にらつか)

本当のことをやることがプロの仕事 ~強みを生かした実践例~

有限会社瓦・造形にらつか、代表取締役韮塚作次氏の報告が2時間にわたりありました。
「本当のことをやることがプロの仕事」を大きなテーマとし6つの項目にわけて丁寧に話されていました。

造形展は道楽のようなものと韮塚社長は考えています。利益を追求しないところに価値があるのです。
韮塚社長は「釘を3本打つところをみえないからといって2本にすることはダメ、4本打つことこそプロの仕事」と考えています。これは会社の強みとなっています。浅草江戸まち改修工事で住民の考え方がバラバラのところを粘り強く説得し、瓦工事を請け負いました。造形展の開催が仲間の輪を作り、仕事というカタチになっています。
実際の瓦工事や造形展の作品をみて参加者の皆さんは興味津々でした。

第2分科会 藤田理恵子氏(フジタ動物病院)

心と心のふれあいを大切に ~スタッフと共に成長した23年間~

第2分科会はフジタ動物病院の藤田婦長に講演していただきました。
40人ほどの従業員を抱える埼玉県でも指折りの動物病院、企業理念を示す「クレド」を導入し、常に従業員との意思の疎通を図るという今の状況に至るまでの23年間の様々な悩みや苦労を常に従業員やお客様のことを大切にするという一貫した思いで乗り越えてきたことが伝わってくる内容でした。

非常に印象的だったのが、質疑応答の際に、以前にフジタ動物病院に飼い犬を見てもらい、その対応に感動したのでどうしてもこの場で話をしたいというお客様からエピソードを披露していただき、まさに「心と心のふれあい」を大切にする婦長の思いが会場中に浸透していると感じることの出来る講演でした。

第3分科会 御子柴慶治氏(ライトウェイプロダクツジャパン㈱)

地球を楽しくしたい ~想いと経営の狭間で~

当分科会は、スポーツバイク卸会社のライトウェイプロダクツジャパン株式会社、御子柴社長に、スポーツバイクに出会った経緯や、どのように理念を経営につなげたかをご講演いただきました。
業績不振の中、「単に自転車を売るだけ」ではなく、「もっと乗る楽しさを伝えたい」と立ち上げたライフスタイルバイク構想は、粘り強い啓蒙を経てメーカーや販売店に浸透し、スポーツバイク文化の発展に大きく貢献しました。

経営理念は「地球を楽しくしたい」。社員にも、心からそう感じながら働いてほしい、と社内勉強会に力を入れています。早朝や土曜などの就業時間外でも熱心に取り組まれる秘訣は、あらゆる分野を学び、社員自身の世界が広がっていることを感じられるため。
社長が作った標語や洒落なども途中に織り交ぜつつ、参加者の方からも沢山の質問をいただき、和やかで充実した分科会となりました。

第4分科会 高山嬢次氏(㈱DTC. company)

マイナスからのスタート!?わが社の「企業理念」発展途上です。

さいたま市で3店舗の飲食店を経営する高山社長にご講演して頂きました。
お金のために仕事をするという考えの中、人を雇ってもすれ違いの日々が続きました。「人って『ほめられたい・認められたい・必要とされたい』」という訓えを知り、皆が笑顔になれる仕事をしようと思うようになりました。仕事=夢に気づいて、皆の夢を叶える方法を真剣に考えます。そんな社長の元に集まった従業員の方は、職人・美容師さんと前職が異業種ばかり。コンプレックスも結果を出せば個性になると、人間の中身を見て採用してくれます。

「変わらないために変わる」と、常に楽しみながら全てに全力投球で進んでいます。こんな時代に元気をもらえる話をして頂きました。

第5分科会 佐良土励氏(㈱サラドゥ)

0(ゼロ)から始める農商工連携

第5分科会は前半は講義形式、後半はグループ討論と参加者の意見交流のできる分科会となりました。有機野菜を栽培している農家と、インターネットの流通業者との連携など、具体例を交えながら、農商工連携について学びました。今までにない他業種との連携のお話は新たなビジネスチャンスを感じさせる講義でした。

グループ討論では、実際に農商工連携を行っている会社さんに現在抱える悩みを提起してもらい、それについて参加者全員で意見出しをしました。様々な業種の方からの意見は思いもかけないものが出たりと経営の参考となる討論会になりました。また、異業種との連携を作るきっかけの場にもなり、経営に活かせる分科会になったと思います。

第6分科会 上品 忍(第一経理医療・資産税事業部)

事業の継続と承継 ~10年後のわが社のために今やるべきこと~

第6分科会では、税理士・司法書士・中小企業診断士という豪華3名の顔ぶれで約50名のお客様を前に講演が行われました。
今回は「現在の事業の状態を知る」と「事業承継対策」という2本の大きな柱を中心に話が進められ、皆メモを取ったり頷いたりしながら真剣に話を聞いていました。

実際にその事業は継続する価値がある事業なのかどうか、そして継続することとなった場合、承継者はいるのかいないのかによっても対応が全く変わってきます。また社長に何かあってから対策を考えたのでは遅いので、事前にできる対策などが3名の専門家の知識ををフル活用して話していただき、実際に対策を考える1つのきっかけになるような分科会でした。

第7分科会 中原玉美(第一経理医療・資産税事業部)
生前相続のすゝめ ~最新の相続対策とは?~

当分科会は、生前贈与がテーマということで、総勢40名を超えるご参加をいただき、相続時精算課税や贈与税の優遇税制を中心に、税理士と司法書士のお二人にお話をしていただきました。相続・贈与に関しては、政府が課税対象者を拡大する意向を示しており、参加者の関心も高かったように感じました。贈与税の基礎知識については説明する時間が取れなかったため、参考資料として添付しましたが、基礎知識がない方については「内容が難しい」というご指摘を受けました。また、逆に従来関心を持っている方については「個別・具体的な話をもっと聞きたかった」といった辛口意見も見受けられましたが、多くの方の関心事である事に間違いないようです。

第8分科会 瓜田 靖氏(中小企業家同友会全国協議会 政策局長)

時代の転換点、活力のある中小企業をめざして ~なぜ、中小企業憲章が日本に必要なのか~

中小企業憲章とは何か、その存在意義は何かというお話から始まり、日本の中小企業が地域経済・社会の再生と発展における社会的役割にまで言及されました。

中小企業が社会的・文化的役割の中心的存在であることを国民の共通認識としていきたいという思いに、参加者の方々も大きく頷き、会場内は熱気で包まれました。後半のグループ討論会では各参加者の立場から日本社会の問題点を的確にとらえ、それぞれの視点で改革案を提案する等、現場を知る人間ならではの貴重な意見が飛び交いました。
中小企業家としての誇りと信念をもって、その実現に向けて行動していくことの大切さを深く認識しました。