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だって○○士だもの

税理士 荒井 貴弘

荒井と申します。税理士登録してから、「日々勉強」の心構えで勉強しながら5年という月日が経過しました。ちなみに、私の趣味は旅行で日本全国47都道府県訪問を目標に津々浦々一人で旅をしており、現在32の都道府県の訪問となっております。

さて、日本にはいろいろな種類の税金があります。そのなかで課税の趣旨がいまだによくわからないものがあります。そのなかの一つに挙げられるのが印紙税ではないでしょうか?
例えば一定金額以上の領収書を作成した場合や請負契約などの契約書を作成した場合には、印紙を貼り付けたうえで消印を行わなければならないわけですが、印紙を貼り付けなかったとしてもその領収書や契約書のいずれについても法律的には有効となります。しかし、税務調査などでその領収書や契約書に印紙を貼付及び消印をしていないことが判明した場合には、原則としてその印紙税額の3倍又は自主的に不納付事実申出書を提出することによってその印紙税額の1・1倍の過怠税(いわゆる罰金です)が課されることになります。

では、いったい印紙税の課税の趣旨とはどのようなものなのでしょうか?
これについて、平成17年3月に参議院で出された印紙税に関する質問に対し、小泉元首相は「済取引に伴い作成される文書の背後には経済的利益があると推定されること及び文書にすることによって取引事実が明確化し法律が安定化することに着目して広範な文書に軽度の負担を求めるものである」と何だかよくわからない答弁をしております。
つまり、これについて、不動産取引を例にした場合、「その不動産の売買契約において売る側はお金を受け取り、買う側は不動産を受け取ることでお互いに同意できる内容なのだからそこにはお互い利益があると推定されます。その際にその取引事実のすべてを把握するのは難しいのでその取引のもととなる契約書などの文書を作成したらその文書1通ごとに課税します」とのことのようで取引を行う双方には絶対に損失は発生しないことを前提としており、いささか納得できない課税の趣旨に感じます。

この納得できない印紙税ですが、その歴史の始まりは意外に古く、1624年にスペインとの独立戦争で財政難に陥ったオランダで「収入が多くて、国民に税の圧迫感を与えない新税を考え出したものには懸賞金を出す」とのお触れを出し、当時の税務署員の一人が「法律上、重要な文書にはスタンプの押捺を受けさせ、その際に税金を納めさせる」との案を出し印紙税が誕生しました。また、この印紙税は1765年にイギリスが当時植民地であったアメリカにも導入しようとし、アメリカの独立戦争のきっかけの1つにもなりました。
したがって、アメリカでは現在でも印紙税は導入されておりません。

また、日本でも、印紙税の導入はかなり古く、明治6年の地租改正のときから導入されております。
税収不足のなかすぐに契約書及び領収書などに係る印紙税廃止とはいかないかもしれませんが、印紙税の課税の趣旨や印紙税導入の歴史的背景からみても、将来的に印紙税は廃止すべきものではないでしょうか?