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経営のヒント

マイナンバーマスター長谷川に聞く

 

税理士 長谷川 元彦

 10月5日から、個人番号の通知が始まったようです。「届いた」という話をあまり聞きません。11月13日に政府もまだ1割しか配達できていない、と発表しました。12月は、年末調整を行う時期です。マイナンバーに対してどうすればいいのか、解説いたします。

 

Q1 通知カードは、いつ届くのか?受取らないと問題あるの?

 

長谷川 : 予定では10月5日から11月中に、簡易書留で配達するとしていました。しかし、ほとんど進んでいません。政府も何とか12月中には届けたいようですが、世帯単位で、本人への手渡しで行うものです。全国5千万世帯の配達には、まだ時間がかかるのではないでしょうか。
 受取れなくても、当面問題はありません。どうしても個人番号を必要とする場合は、住民票で個人番号記載のものを取得することができます。

 

Q2 個人番号カードって何?強制なの?

 

長谷川 : 郵送で配達されるのは「通知カード」といって、住所・氏名・生年月日・性別・個人番号が記載された紙のカードです。これだけでも、使用できるのですが、顔写真やICチップの入ったプラスチック製の「個人カード」というものがあります。
 これは、通知カードに同封されている申請書を提出して、指定された場所に本人が出頭する方法で交付されるカードです。顔写真が入りますので「身分証」になると政府は宣伝しています。
 個人番号カードのICチップの中にデータが入ります。「便利」といわれる反面、情報が「漏れる」というリスクもあります。取得は強制ではなく「任意」ですので、マイナンバーに関する事故や詐欺など、どのような問題があるのかしっかり見極めてから、申請するかどうか検討することでいいのではないでしょうか。

 

Q3 今年の年末調整では、使うの?

 

長谷川 : 当面する平成27年分の年末調整では、「使いません」。マイナンバー制度そのものが、平成28年の税金に関して適用をするものだからです。平成27年分の申告書等には、記載欄もありません。
 実務的には平成28年の扶養控除の申告書を年末までに収集して年末調整をしている事業者も多いと思います。まだ通知カードも届いていない状況ですから、書いてもらって集めることもできません。国税庁は10月28日に、「平成29年分の扶養控除申告書に記載してもらう方法で収集しても差し支えない」と来年の年末調整の時に行うことを問題ないとする「FAQ」を公表しました。現場の実情からすれば、当然のことです。
 個人番号を事業者が扱う場合には、「安全管理措置」が必要とされていますので、1年かけてじっくり構えましょう。

 

Q4 番号を書かないと税金が増えるの?

 

長谷川 : 給与所得者は、扶養控除の申告書に扶養親族の住所、氏名、生年月日を記載することで源泉税額を計算します。平成28年分の扶養控除の申告書にマイナンバーを記載しなかった場合、税金が増えないか心配する人もいるかと思います。
 税法では、番号記載は「要件」になっていません。番号の記載がなくても、必要な事項の記載があれば税金が増えることはありません。Q3で説明した国税庁の文章でも、このことは明らかにされています。

 

結 論

 マイナンバーについて、行政も事業者も準備不足で、進んでいません。また、情報漏えいについて、政府は「漏らさない法律になっているから漏れません」というスタンスです。情報を漏らさないようなシステム作りは事業者の負担です。
 ナンバー法では、事業者にとって利用を進めることは「努力」で情報を漏らさないことは「責務」となっています。あわてずにじっくり構えていくことで十分です。