2024.11.12 逆パワハラ~部下から受けるハラスメント~
課長「あれ?この事務処理ってどうやるんだっけ?」
主任A「課長なのにそんなことも分からないんですか?使えないですね。私がやっておくので何も触らないでください。」
課長「ごめんね。よろしく頼むよ。(そこまで言わなくていいだろ。こっちはその作業をやらなくなって10年は経つんだから。でもここで反論してもハラスメントだって言われると困るし、我慢我慢。)」
~昼休み~
主任A「こんなことがあってさ~。あの課長ほんとに動き悪くて困っちゃうよ」
主任B「俺の時も似たようなことあったな。いっそ課長の指示はみんなで無視して、俺らで仕事のことは決めていこうぜ。」
こんなこと会社で起こっていませんか?
パワーハラスメントは何も上司から部下に対して行われるものだけではありません。
今日は部下から上司へのハラスメント(以下、逆ハラ)について記載します。
そもそもハラスメントとは?
2024年6月25日にハラスメントに関する記事(第一コンサルティングHP→豆知識 ご参照)を作成した際、パワハラに該当する行為の法的な要件を3つ挙げました。復習すると下記のとおりです。
①優越的な関係を背景とした言動であって(上司から部下等)
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもので(人格否定、怒鳴る等)
③労働者の就業環境が害されるもの
①について、確かに多いケースは上司から部下ですが、右のカッコ内を見てください。
当時の私は「等」という文字を入れております。
この「等」という文字に今回の記事冒頭のようなケースが含まれております。
大事なのは肩書ではなく、実質的なパワーがどちらにあるか
当時の記事でも一部触れておりますが、
・部下の方が人数が多い
・部下の方が仕事内容の細かい部分まで知識があり、部下の協力なしには仕事を遂行できない
こういったケースの場合には、パワーは部下の方にあり、部下から上司への逆ハラも起こり得ます。
会社はその状況を放置してよいのか?
もちろん、逆ハラが会社で起こっているのであれば放置は絶対NGです。
皆からハラスメントを受けている課長をずっと見ていた若手は「課長になると皆に責められて嫌な思いするだけだよ」という感情を抱くようになるでしょう。
そうなれば昇進の話が出ても、それを断る人が続出し、将来的な会社の成長の芽をつぶしてしまうかもしれません。
上司(冒頭でいう課長)から会社に相談があった場合には、会社は真摯に対応しましょう。「お前も上司になったんだから、これくらい乗り越えろ」と言ってしまうと、上司と部下が、ただお互いの不平不満をぶつけあうだけで、事態はさらに悪い方向へ行ってしまうことが考えられます。
相談を受けた会社は、上司と部下双方から事実をヒアリングし、第三者からみた公平な視点で、改善点を伝えましょう。
会社からの指導に何度も従わないのであれば、懲戒処分という選択肢も視野に入ってきますが、懲戒処分はとても慎重に行うべきです。
懲戒処分は、この記事で話すと逆ハラより文章量が多くなってしまうかもしれないくらい奥が深いものですので、懲戒処分の記事は、またいつか書かせていただきます。
事態が深刻化する前に、もっと言えば発生する前に!
社内でのハラスメント事案に対する準備を整えたい事業所様はぜひ第一コンサルティングまでご連絡ください。