2025.11.26 試用期間なら解雇は自由?経営者が陥る「お試し期間」の誤解

 

社長:「例の新人、真面目なんだが能力が追いついていない。現場の社員が疲弊する前に、今月末の試用期間満了で辞めてもらおうと思う。本採用前なら簡単に切れるだろ?」

社労士:「社長、ストップです!『試用期間=お試し期間=簡単に解雇できる』は大間違いです。不当解雇で訴えられるリスクがありますよ」

社長:「はあ?会社を守るために『試す』期間じゃないのか?給料払ってリスクだけ負えと言うのか!」

社労士:「いえ、正しい手順と理由があれば可能です。しかし『能力不足』だけで即アウトは危険なんです」

 

 

「試用期間中や期間満了時であれば、会社は自由に解雇できる」と考えていませんか?

実は法的には、試用期間も「解約権留保付労働契約」という労働契約が成立しており、通常の解雇と同様に厳格なルールが存在します。

 

▼ここがポイント

 

  • 「なんとなく合わない」はNG

単なる相性の不一致や、少しの能力不足では解雇理由は認められません。「指導教育を行ったが改善が見られない」という客観的な証拠が必要です。

 

  • 解雇予告手当が必要な場合も

試用期間中でも、雇用開始から14日を超えて解雇する場合は、少なくとも30日前の予告か、解雇予告手当(30日分以上の平均賃金)の支払いが必要です。

安易な本採用拒否は、トラブルの元です。判断に迷う場合は、決断する前に専門家へご相談ください。

 

【第一コンサルティングでサポートできること】

当該社員への指導記録の確認、就業規則の解雇事由の精査、および適法な退職勧奨や解雇通知の進め方についてアドバイスいたします。