今回のテーマ 個人と組織を成長させるための『任せるコツ』とは

第一経理ゼミナールとは、
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読み+勉強会を行い、ブックレビューします。

今回のテーマは「個人と組織を成長させるための『任せるコツ』とは」です。日々、仕事を任せることの難しさを感じる方は多いと思います。自分でやったほうが早いという意識を変え、どうしたら、仕事を任せることができるのか?個人も組織も成長させる「任せるコツ」を学びましょう。

山本 渉 著
すばる舎 1,500円(税別)

任せるコツ 自分も相手もラクになる正しい"丸投げ"
仕事を抱えるストレスから自らを解放し、部下の成長、チームの生産性を目指す、リーダーシップを学ぶ本

誰もが苦手とする「仕事を人に任せる」こと。著者は自身の経験をもとに「丸投げのコツ」と、「丸受けできる人材の育て方」について説いています。適正や意欲を見極めた依頼方法、任せた後のフォローやフィードバックの仕方、失敗時のサポートのあり方まで、具体例を交えてわかりやすく解説。ビジネスの現場はもちろん、家庭や地域活動など、あらゆる場面で双方が成長できる関係構築のノウハウが詰まっています。

安西さん小垣さん坂井さん荒木さん
安西さん/小垣さん/坂井さん/荒木さん
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なぜこの仕事をするのか。やる気と満足度をアップする

「3人のレンガ職人」の話が印象的でした。今取り組んでいる作業が何のための作業か、どう役に立つのか、そして自分の仕事が結果にどんな影響をもたらすのかを知っているのと知らないのでは、やる気も満足度も大きく異なってくる、という話です。具体例として、NASAの宇宙センターの清掃員が「私は人類を月に運ぶ手伝いをしています」と答えたという逸話が紹介されています。目の前の「掃除をする」ということだけに終始すると、途中で飽きてしまう人も出てくるかもしれませんが、NASAという大きな存在の一部として、その組織の目標達成に寄与している、と感じてもらうことで、仕事へのやる気が大きく変わるというのはとても興味深いと思いました。

佐藤さん
佐藤さん
まあまあ。
日々の忙しさの中では、理想と現実の違いを実感するのでは

紹介されている手法は、一つひとつが丁寧なコミュニケーションを前提としています。日々の業務に追われるプレイングマネージャーなどがすべての仕事を本書の通りに進めるには「理想的だが現実はそうもいかない」と感じる場面もありました。

荒木さん
荒木さん
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人に依頼するときの、すぐ使えるテクニックに納得

相手に依頼する際に、相手へのメリット(例えば相手が気になっている分野や、やりたいと言っていたこと等)を明確にすることによって、相手のモチベーションを上げると書かれており、なるほど!と思いました。相手のことを理解したうえで、依頼をしていると明確に伝えることが出来れば、モチベーションもあがり、依頼相手の成長も促されるように感じました。

小垣さん
小垣さん
まあまあ。
自分がやったほうが早い……
仕事が滞ってしまう不安をどう払しょくするか

「やり方を押し付けず任せきり、口出しをしない」というのは、大切なこととはわかっていつつもとても難しく感じるかもしれません。人員不足で人を育てる余裕がない環境では、任せて見守っていたら仕事が滞ってしまうのでは、と不安に思うのは当然だと思います。

佐藤さん
佐藤さん

テーマのまとめ

個人の成長とチームの
成長のマインドセットの違いを知る

人に任せたいけれど何かしらのハードルがあって任せられない方、複数人をまとめるリーダーの方はもちろんのこと、依頼を受ける側になることが多い方にもお勧めしたいです。依頼を受ける側にとっても、頼まれたから仕方なくやるのではなく、自らポジティブな捉え方に変換し、自分のやる気を掻き立てるコツを見出せるようになるのではないでしょうか。新入社員のメンター係や新しくリーダー職に就いた方にもぜひ読んでみてもらいたいです。個人で仕事の成果を上げることと、リーダーとしてチームの成果を上げるのとでは、マインドセットを大きく転換させる必要があることが理解できます。また、ビジネスシーンだけでなく、日常の中で、人にお任せするのが苦手な方にも視点を変えるヒントがあります。

佐藤さん友野さん小垣さん
佐藤さん
友野さん
小垣さんまとめ!
今回のひとこと

会社を担う次期幹部候補にこそ知っていてほしい
人に任せることは人材を育てること

任せることの単なるテクニック本ではなく、“人材育成”の本です。サブタイトルにある“正しい丸投げ”をするために、任せる側がどうあるべきかを解説されています。その一つとして“傾聴力”や“モチベーション”などが書かれており、特に個人的にグッときた言葉が「ビジネスは究極の団体競技」というフレーズでした。マネージャー層の方にお勧めしたい一冊ですが、次期幹部候補の方たちにもお勧めです。この本は“上手に任せる”ということを通じたお互いの人材育成がテーマだからです。これから幹部になっていく方たちにとって、必要なテーマだと思いました。

安西さん
安西さん