2025年
新春座談会
第一経理グループ
代表 大澤 一弘
相続・資産税事業部
税理士 木下 直人
税務経営サービス 池袋事務所
税理士 北 耕平
税務経営サービス 埼玉事務所
チーフアドバイザー 山本 青空
中小企業と
第一経理のこれから
課題を見つめ、
可能性を考える!
「苦楽を共有しながら、共に走る」、「課題を共有しながら、共に挑む」。経営者様との絆を何よりも大切にしながら、ご期待以上の提案をめざす第一経理。今回は、第一経理で働く若き社員3人と代表が、中小企業や第一経理の課題や可能性を考えながら、お客様へ対する思いなどざっくばらんに話してもらいました。
「納税者の権利を守る」スタンスで
中小企業の悩みに向き合う
大澤 本日はお集まりいただきありがとうございます。新春座談会では、毎年お客様にご登場いただいておりますが、今回の顔ぶれは社員です。お客様からのご相談で事業承継の話がよく出ますが、第一経理も事業承継していかなければなりません。私も今年54 歳になり、60歳で定年ならあと6 年です。この間に引き継いでいくとなると、あまり時間がありません。そこでこれからの世代と話をし、皆さんが何を思っているかを知りたいと思い、今回の座談会を企画しました。
北さんは、ほかの事務所での経験もありますが、第一経理と他社の違いは何だと思いますか?
北 第一経理の「納税者の権利を守る」というスタンスは、他社とは全然違うと思います。税務署に提出する書類ひとつとっても、以前は当たり前のように出していた書類も法律的な裏付けを取って見極め、出さなくていいものは出さないという姿勢を守っています。
書類を出すということは、それを作る労力も必要ですし、情報を外に出すというリスクもあります。出さなくていいものを出せば、それだけお客様の負担も増えます。そこまで考えて、税務署にはっきりNОと言えるのが、第一経理のいいところだと思います。
こういう姿勢も、お客様に信頼していただける理由のひとつではないでしょうか。
大澤 第一経理は、創業時から「納税者の権利を守る」というスタンスでやっていて、これは、今でも頑なに守っている部分です。 木下さんは新卒入社後、ずっと第一経理で働いていますが、そういう違いを感じたことはありますか?

木下 実は実家が会計事務所なので、父と話をしていると、税務署と話をするときのスタンスの違いみたいなものは感じますね。
大澤 山本さんは今年で4年目ですが、第一経理で働いての印象はいかがですか?
山本 「お客様と関わっている年数が長いな〜」という印象です。私が担当しているお客様は、事業を起こした方というよりはお父様の代から会社を引き継いだ方が多く、そういった方々から私の知らない第一経理初期のメンバーとか、「今は役員のあの人も、昔は担当で来てくれていたんだよ〜」というお話をよく伺います。長くお付き合いされているお客様が多いのも、第一経理の特徴だと思います。
大澤 顧問先との話のなかで、みなさんは最近、どのようなことをよく聞かれますか?
北 会社の規模に関わらず、人手不足で困っている企業は多いと思います。「給与計算が社内で出来ないからやってほしい」等は今までもありましたが、比較的大きな企業でもそういうご要望が増えてきています。
人手が足りないのも問題ですが、これからは付加価値を高めていかなければならないので、経理職は事務作業としての人材というより、経営の財務的な視点を持った人材が求められています。
また、最近多いのは、経理が年配の方の場合、辞めるとなったときに、新しい人を採用したくても今はできないということ。引き継ぐことも難しいのでIТ化を進めたいなどの相談も受けています。
木下 私の場合は、中小のお客様は規模が小さい故に、「資金繰りが間に合わない」とか「大手が切れて次を探す営業が大変だ」など、経営自体のお悩みをよく聞きますね。ただ、そういう話がずっと続くことは少なく、その時々の悩みを乗り越えればまた安定します。
大澤 山本さんはどうですか?
山本 2代目の社長さんで、「次がいない。会社を誰に渡せば…」と、自分がいなくなったときに会社をどうするかの話をよく聞きます。事業承継は、誰でもいいというわけではないので、なかなか大変です。

北 一度事業承継の経験をされた方は、その大変さを知っているからこそ、大澤さんと同じようにまだ50代でも将来どうしようかと考えますからね。
第一経理の強みを活かしながら
新しいことにも挑戦しよう
大澤 座談会の前に書いてもらったアンケートで、北さんは第一経理が抱える脅威として「資格の魅力低下による人材不足」と書かれていましたが…。
北 数字で見ると、税理士の受験者数はずっと減り続けていて、若い税理士を採用したくてもできないという、人手不足の業界になっています。
大澤 10年後AI化によってなくなる仕事が話題になったときに、税理士もそうなると勘違いされた部分はあると思いますが、 “身近な相談者”としての役割は、いつまで経っても無くならないと思います。税理士として資格者の枠を超えて幅広い知識を持ち、お客様に使える知識を提供することが重要ですね。

木下 お客様のやりたいことをどうサポートしていくか、ですね。「新しいことをやろう」という声はまだ少ないのですが、それも社長によって違ってくるので、臨機応変に対応したいと思います。電話だけで済ませたりする会計事務所もある中で、うちはお客様と毎月顔を合わせているのも強みですよね。
大澤 社内的に、やってみたい新しい試みはありますか? もう少し会社に遊び心があってもいいと思うので、社内にバールームがあったらいいなとか。あるいはオフィスをフリーアドレス化したいとか…。
北 そうですね。コロナを機に、ここ数年の資料はデータで持っている人も多いですから、ロッカーがあればフリーアドレスはできるかもしれません。出社した方が効率いい人はいるでしょうが、テレワークという働き方が当たり前になった時代なので、そういう選択肢があってもいいですね。
大澤 全社的なルールにするのではなく、できる人からやれるようにしたいという思いはありますね。ただ、士業なので、資格を持っていない人は管理下に置かなければいけない部分はあるから、それは考える必要があります。いっそのこと資格者はテレワークOKにすれば、みんなが資格者をめざすかな?
北 確かに(笑)。会社に来ても半分以上の人は外回りに出てしまうから、事務所は空いている。だったらフリーアドレスにして、机にいるときは今の2倍ぐらいのスペースが使えるといいなと思います。
大澤 今こそ働きやすい環境について考えることが重要だと思うので、ほかに、会社がこうなったらいいなという意見はありますか?
北 ぜひ入社1〜2年の新人に、いろいろとチャレンジしてもらいたいですね。
たとえば、私が担当している出版社様では、販促として作品のグッズを作ったりしているんですね。入社1〜2年目の社員が中心になって頑張っているのを見ると、そういったチャレンジを若いうちにやってみて欲しいというのがあります。

大澤 入社1〜2年目の、時間の余裕があるときに時間をかけて取り組むことは、ベテランになればなるほどできなくなるので、貴重な経験になります。自分で課題を見つけてもいいし、上からの提案でもいいので、どんどんチャレンジして欲しいですね。
人との繋がりを大切に
お客様と第一経理のこれからを考える
大澤 お客様や第一経理のこれからについて、みなさんはどのように考えていますか?
山本 お客様も第一経理も、今後は一定の対応力が必要になるのではないでしょうか。時代の変化に合わせたり、新しいものに柔軟な目を持つことが、これからは必要になってくるのではと思います。
木下 最近お会いした社長は、会社をカフェスペースにして、自分でカフェをはじめようとしていて。対応力のある社長さんだな〜と思いました。新しいことに挑戦することで生き残っていくこともあると思うし、お客様が成功すればうれしいですね。
資産税事業部的には、もっと営業をして外に目を向けていく必要があります。たとえば心理カウンセラーの資格を取って、ご遺族の心のケアもできたらほかの事務所と差別化もできるのでは? と思いついたのですけれど、それだけだと弱いかなと思ったり…。

大澤 社内に資格者がいなくても外部スタッフを紹介するしくみを作ることはできるし、第一経理で定期的にグリーフケア(遺族ケア)のワークショップをやってみるのもいいかもしれません。
木下 なるほど。自分が心理カウンセラーの資格を取るという考えしか無かったので、そういうお話を伺うとまた違ってきますね。どこまでできるか、需要がどのぐらいあるかは未知数ですが、亡くなってから数年経っても悲しみが深い方もいらっしゃいますので、お客様のために何かできたらいいですよね。
大澤 そういう意欲やアイデアは、大歓迎です。お客様に向き合っているからこそ出てくる発想ですよね。
山本 私が第一経理がいいと思ったのは、自分の生活のために仕事をしているというよりは、目の前のお客様のために何ができるかを追求しているところです。でも私たちの世代って、自分優先で、仕事はお金を稼ぐ手段でしかないって人が増えているように感じます。
私はお客様の仕事に興味がないとできない仕事だと思っているので、今まで第一経理が守ってきたことや、お客様との関わりで培ってきたものが、軽くなるのは嫌だなと思います。
大澤 山本さんは、どんなときにそう感じましたか?
山本 新卒採用の就職説明会に先輩社員として参加したのですが、人と話すことや関わることに、消極的な人が多いという印象を受けました。
大澤 人との会話がちゃんとできて、コミュニケーション能力がないと、広がって行かない仕事なんですよね。効率化が求められる時代ですが、私たちにとって、時間をかけることは必要です。それは直接的な時間というよりは、山本さんが言ったように相手の仕事に興味を持つといった心の時間のことで、効率化の名のもとにその部分を省いてしまうと、私たちの仕事はダメだなぁと思うんです。
北 お客様に誘われて展示会に行ったとき、「自分たちの仕事に興味をもってくれた」と、喜んでもらえた経験があります。我々も「一・一会」とかやっていますけれど、来ていただけるとやっぱりうれしいですから。
大澤 そこに価値を見いだせているからこそ、第一経理の存在意義があるのだと思います。
もちろん、仕事の中身でも満足していただけるよう努力しながら、第一経理は今後も「人との繋がりを大切に」する気持ちを携えていきましょう。3人の話からもそのことが分かっていただけるのではないかと思います。本日は、ありがとうございました。

左:税務経営サービス 池袋事務所 税理士 北 耕平
2017年 中途入社。上場企業や同等の顧問先を担当。普通法人のほか財団法人など幅広い顧問先に対応。社内プロジェクトのリーダー等、経験も豊富。
中央:税務経営サービス 埼玉事務所 チーフアドバイザー 山本 青空
2022年 新卒入社。主に家族経営の建設業顧問先を担当。各種委員会の中心メンバーとして活躍し、社内外周知の役割を担う。
右:相続・資産税事業部 税理士 木下 直人
2011年 新卒入社。全社から依頼のある相続案件を担当しながら、複数の普通法人も担当。「相続セミナー」の講師としても活躍。