今回のテーマ 決算書を
読めるようになるには?

第一経理ゼミナールとは、
第一経理グループPR委員会メンバーが、
日々お客様と接する中でお聞きした、
お客様が今知りたいこと、気になることをクローズアップ。
解決のための本2冊をお客様に代わって
読み比べ + 勉強会を行い、ブックレビューします。

第一回目は「決算書を読めるようになるには?」。日本では3月、6月、9月を決算期にしている会社が多く、ちょうど決算を終えられたばかりのお客様から、決算書を読めるようになれたら……というお声を聞き、今話題の入門書2冊をセレクト。PR委員会メンバーが本の内容から、お勧めしたいポイントまで、わかりやすくご説明していきます。

会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方
大手町のランダムウォーカー著
KADOKAWA 1,400円(税別)

『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる
世界一楽しい決算書の読み方』
「日本人全員が財務諸表を読める
世界を創る」が合言葉の一冊

佐藤さんまとめ!
佐藤さんまとめ!

著者の大手町のランダムウォーカー氏は、Twitter上でだれでも参加できる「会計クイズ」で人気を博し、フォロワー9.7万人!実在する有名企業の決算書をもとに、クイズ方式で企業の戦略を読み解く。同業種の有名企業の決算書を比較しながら、その企業の違いを説明。たとえばドトールとルノアールは「コーヒーの価格の違い」に着目して決算書を比較してみると、経営スタイルや生存戦略が解き明かされていく。問題に挑戦しながら自然と決算書の基本が身に着く一冊。

いいね! 身近な企業を例に挙げているから、
イメージしやすい!

財務諸表の基礎知識について図表を用いて簡単に説明されており、身近な企業の実際の数字を用いた会計クイズを解きながら復習していくので、イメージが湧きやすいです。

宮野さん
宮野さん
まあまあ。 全体像は理解できるけど、
実際の経営分析までできるかな?

クイズを解いていくのも楽しく、同業種のビジネスモデルの違いや比較がわかりやすく解説されていました。ただし、財務諸表の全体像は理解できたものの、この本を読んで実際の経営分析ができるかというと少々疑問。

椎名さん
椎名さん
いいね! 中小企業もビジネスモデルを
確立することが大切だと気づかされた

有名企業がどのようなビジネスモデルで運営されているか改めて認識できる本。中小企業もビジネスモデルを確立することで、ある程度貸借対照表が予想できます。その構成が偏ったものでないか、何か特別な要因が加わっていないかなど、見方が変わってくることに気づかされました。

池田さん
池田さん
100分でわかる!決算書「分析」超入門2022
グロービズ経営大学院 ファイナンス教授 佐伯良隆 著
1,100円(税別)

『100分でわかる!決算書「分析」超入門2022』 映画1本、飲み会1回の
時間で決算書が読めるようになる!?

佐藤さんまとめ!
佐藤さんまとめ!

超入門、分析、実践の3部構成。超入門編は、決算書を「健康診断表」、会社の活動を人体の骨格・筋肉・脂肪・血流などに例えながら財務3表をわかりやすく解説。分析編では、その「健康診断表」の数値から、ケーススタディを交えながら企業分析のポイントを学んでいく。実践編は、学んだ分析のコツを活かして、テスラ、ソフトバンクグループ、ファイザーなど話題の企業を具体的に分析する。

いいね! 1つの単元が絶妙な短さで読み進めやすい!

教科書のように単元に分けられています。1単元が絶妙な短さなので、読み進めるのも楽、読み返すにも重宝すると感じました。何よりこの本の薄さに感動しました!

椎名さん
椎名さん
まあまあ。 人体への例えが誤解を招くこともありそう

流動資産が「脂肪」、固定資産が「筋肉」など人体に例えているが、「脂肪より筋肉が多い方がよさそうだから、とにかく流動資産を減らして固定資産を増やした方がいいのでは?」などのように思ってしまう危険性も。もちろん「バランスが大事」とは本書でも書かれているのだが。

清信さん
清信さん
まあまあ。 最初はわかりやすいが、実践編で手が止まるかも?

最初の基礎編、分析編はわかりやすいが、実践編になってくると財務三表を絡めた分析に、前半で学んだ会計用語が次から次へと出てくるので、前半の内容がしっかり頭に入ってないと一気につまずき、ここで、読む手が止まってしまう人もいるかも……。

宮野さん
宮野さん

テーマのまとめ 数字に苦手意識のある社長さんは
『世界一楽しい』、数字に明るい
社長さんは『超入門』がおすすめ!

小林さんまとめ!
小林さんまとめ!

どちらもイラストや図解などが多いので、読みやすくかつイメージしやすい入門書です。有名企業の実際の決算書を読み解く快感が味わえます。1冊目は超初心者用。記帳代行のお客様や、数字に苦手意識のある社⾧の最初の1冊にぴったりです。2冊目は入門書であることに変わりはありませんが、すでにある程度の知識をお持ちの方や、自社の決算書をより深く見たいお客様におすすめです。

今回のひとこと

「決算書から分かった問題や課題に対して行動を起こすことが必要です」。

古川さん
古川さん

「会社は生き物なので、決算書を読めるようになると、状況を直感的に感じ取れるようになります。この感覚を養いましょう」。

池田さん
池田さん