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会社訪問
インタビュー株式会社ツバサコーポレーション
代表取締役 佐々木 慎一 様
安定的な成長と共に
社員の幸福度の高い
会社でありたい
株式会社ツバサコーポレーションは、ＪＲ大宮駅からほど近い場所に社を構える水道工事の会社。入り口も社内もおしゃれな雰囲気が印象的です。代表取締役の佐々木 慎一さんが目指すのは社員の幸福度の高い会社。安定的な経営のための努力と、社内を美しく整えることどちらも社員の幸福度を高めることに繋がると語る佐々木さん。ユニークな来歴やこれからのビジョンなど、お話を伺いました。
ホテルマンから水道工事へ
思い切って飛び込んだ20代
ツバサコーポレーションは、さいたま市一円の水道工事を請け負っている会社です。水道工事会社勤務とフリーランスの期間を経て、法人化したのは平成24（2012）年のこと。今年で設立11期目となりました。
私が水道工事の世界に飛び込んだのは偶然のことでした。高校卒業後、ビジネス系の専門学校を経て、就職したのはホテル。時はバブル時代で、ホテル業界は大変な盛況でした。長時間勤務は当たり前で、帰宅がままならないこともあり、いくら若いといってもこれでは続けられないと退職を決意した時、水道工事の会社で働いていた友人が誘ってくれたのがきっかけで、この世界へ入ることになりました。
まずは現場監督で水道工事の経験と人脈を築きました。ホテル時代の激務から解放され、仕事にも慣れた頃、注目を集め始めていたCADに興味を持ち、教則本から独学で習得。CADの技術を得たことで仕事の幅や可能性が広がりました。
思い切ってフリーから法人化
失敗から学び成長するきっかけに
男が生まれたタイミングで水道会社を退社し、フリーとして働くことにしました。妻も周囲も心配していたでしょうが、CADで稼いでいける自信があったのです。実際には、昼間は知り合いの会社で現場監督をし、夜は自宅でCADを使って図面を書くという日々。それを5年ほど続け、法人化しました。
立ち上げてからも色々ありました。大きな仕事を受注したのはいいのですが、スタッフも機材もまるで足りません。現場監督は私が務め、ダンプも重機も仲間や親会社から借り、職人さんも寄せ集めで取組みましたが、6カ月の工期が8カ月に延びてしまい、個人の持ち出しは大きくなるばかり。もちろん妻に言うこともできません。
そんな窮地に、私が師匠と慕っている方から「大口径の水道管工事の仕事をしてみないか？」と提案されました。これまでよりも、高い技術力が必要となります。でもこれができるようになると、今後の受注の範囲が変わってくるので、あえて勧めてくれたのです。なんとかやり遂げた後、順調に受注することができるようになり、その頃から社員も増えていきました。
水道工事は最高の社会貢献
職人の技術を絶やさないために
土木系の仕事は人材不足に苦しんでいます。いまだに３Ｋ仕事のイメージがあり、若い人は内勤の仕事の方がいいと思うようです。でも土木の仕事は想像ほど辛くないですし、私たちの水道工事という仕事は、社会貢献できる素晴らしい仕事だと胸を張って言えます。水道は社会生活の基盤となる大切なインフラ。自分が工事を請け負った場所を通りかかったときなど、たくさんの家庭へ水を届けていることを実感し、誇りを持てる仕事なんです。職人さんの高い技術を伝えるためにも若手人材の確保は今後も課題です。
とはいえ直近の人材確保のために、ベトナムからの技能実習生を受け入れています。ベトナムに飛んで面接し、来日してくれた彼らに技術を伝えます。帰国後、日本で学んだ技術を生かしてくれることでしょう。
水道工事には欠かせない1級管工事施工管理技士という、資格取得も大いに奨励しています。公共事業を請け負う際に受ける経営事項審査に、この資格保有者数が関係してくるからです。現在取得者が4名になり次期の審査で念願のＡランクになれれば、もっと大きな工事も受注可能に。会社の拡大のためにも、がんばる人を応援していきたいですね。
社員の幸福度を高めるために不動産業に進出
2年ほど前から不動産業に乗り出しました。実は若い頃から不動産に興味があり、過去に宅地建物取引士の資格を取得しています。今は150室の大家さんになることを目標に、よい物件があれば増やしていきたいと考えています。家賃収入を本業である水道工事の人件費に充てることができるのが魅力ですし、水道工事で得た収入をさらに機材などに投資し、事業を拡大することもできそうです。
会社の入り口は私が管轄するフリースペース。季節ごとにディスプレイを楽しんでいます。なぜそんなことをするのかといえば、社内環境を整えて、気持ちよく働いてほしいから。不動産業や社内の美化、給与や休暇の体制も合わせ、社員の幸福度を高めていきたい。それが事業を続けていく上での私のモチベーションになっています。
